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高森明勅
2019.12.5 06:00皇室

大嘗宮拝観

12月3日。
快晴。
暖かい。
皇居へ。

大手町駅で降りると、平日の昼間なのに皇居方面に向かう人が思ったより多い。
手荷物検査とボディチェックを終えて坂下門に入る。
宮内庁職員の説明では、多数の人が詰めかけている為に、
大嘗宮前に着く迄に80分ほど掛かるとか。
でも予想していたよりはスムーズに進んだ。
込み合う人々の会話に耳を傾けると、天皇・皇后両陛下と敬宮(としのみや)
殿下への敬意と好感を示す一方で、秋篠宮家に対する冷淡な声も
聞こえてくる。
「皇室カレンダーに秋篠宮家の写真は要らないんだけど」とか。

秋篠宮殿下は、「皇太子」というお立場とは一線を画しつつも、
懸命にご公務に取り組んで下さっている。
余りのご多忙ぶりに、お身体に障らないか心配になるほど。
しかし、そうした事実に関心を持たない人も多いのだろう。
残念だ。

大嘗宮の正面では人々が一斉に写真を撮っていた。
いずれ御代替わりを取り上げた各種写真集が出るはずだ。
私はそれらを購入するつもりだから、写真を撮るより、
自分の目に焼き付けた。

我が生涯において、大嘗宮の実物を直接拝観する機会は、
恐らくもう二度とあるまい。

裏側に回ると、目の前に廻立殿(かいりゅうでん)。
こんなに間近に拝見できるとは思わなかった。
両陛下は祭儀の際に、それぞれ廻立殿の北側からお入りになる。
だから、まさに両陛下がお入りになった扉、階段がすぐ前に見える。

階段も扉もそれぞれ別々。
中央が陛下のお入りになった扉。
向かって左側(つまり東側)は皇后陛下がお入りになった扉だ。
西側には扉が無い。
そこに天皇陛下のご潔斎の為のお部屋がある(廻立殿内は3部屋)。
私が1人で興奮していたものの、他の人々は全く気に止めない様子。
立ち止まる人はいない。
勿論、誰も写真を撮らない。
他人事ながら少し勿体ない気がした。

平川門から出て、そのまま神保町まで歩く。
何軒か古本屋を覗いて、大学の授業に向かう。
講義の合間に連絡があり、フジテレビ「直撃LIVE グッディ!」の
インタビューを依頼された。

12月4日の宮中三殿での親謁の儀(及び賢所御神楽の儀)で、
5月1日以来のご即位に伴う一連の儀式も区切りを迎える。
そこで、この事に関わる質問をいくつか受けた。
なかなか良い着眼。
夜中の10時過ぎから時間にして40分ほど。

翌日の放送でどのように扱われたかは知らない。
テレビ局の関係者には申し訳ないが、我が家にはテレビ自体が無いので。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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