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小林よしのり
2020.1.11 12:04日々の出来事

自衛隊派遣に賛成するしかない

自衛隊が中東の海域に派遣されるが、わしはこれに
賛成する。
全面的な賛成ではないが、自衛隊の士気にかかわるので、
今回は賛成せざるを得ない。

本来は軍隊として、石油を運ぶ日本のタンカーを守る
のが当然なのだ。
日本のタンカーの安全航行を外国に頼るのは決して
独立国のふるまいではない。

現状の「属国憲法」がある限り、軍隊未満の自衛隊は
日本のタンカーも、自分自身の安全も守れるかどうか
分からない。

だが現状、自衛隊派遣はまったくやむを得ない選択だろう。
イランの司令官を殺害するというトランプ大統領の暴挙
によって高まった緊張感ではあるが、全面戦争にならぬ
ように歯止めをかける理性くらいはトランプに残っていた
ようだ。これなら戦争にはならない確率は高い。

むろん想定外の突発的な事件から戦争になる危険性は
残っているから、そのリスクを日本の自衛隊が抱えたまま
派遣されることになるが、「属国憲法下」ではこれが精一杯
だという政府の判断は正しいだろう。
安倍首相も中東に自衛隊派遣の説明に行ったようだし、
現状正しいと言うしかない。

卑怯なのは立憲民主党をはじめとする野党である。
憲法改正もする気がなく、危ないから行くなという愚にも
つかない批判を行っている。

立民は社民も合流させるから、もう完全な護憲左翼である。
国民民主党がこれに合流すれば、左翼大連合ができること
になる。
玉木雄一郎はそこのところ分かっているのだろうか?
立民が護憲左翼化した今だからこそ、浮上する芽が出て
きたのに、合流して護憲左翼になり、「危ないから自衛隊
を派遣するな、民間の船舶を守るな」という立場に成り下
がるのか?

枝野幸男は中東派遣は憲法問題じゃないと考えているよう
だが、冗談ではない。
明白な憲法問題である。
「属国憲法」から抜け出さねば、危険を承知で、自衛隊を
送り出すしかないのだ。
自衛隊員の命を蔑ろにしているのは、立民ら野党である。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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