ゴー宣ネット道場

BLOGブログ
高森明勅
2020.2.18 00:24皇統問題

何故「女性天皇」から目をそらすのか?

読売新聞(2月16日付)一面トップ「女性・女系天皇 議論せず」
との報道は、明らかに政府の思惑に沿ったリーク記事。
それにしても不可解だ。
ロジカルに考えたら、側室不在・非嫡出の継承否認という
条件下で、継承資格を「男系男子」に限定すれば早晩行き詰まる
のは、“猿でも”分かる。
何しろ、過去の実例に照らせば天皇の正妻たる方は、“96分の34”
(3分の1以上)という高い割合で男子を生んでおられない。
しかも、最近の各種世論調査の結果を見ても、女性・女系天皇を
認める国民が7・8割を占め、圧倒的に多い。
更に、「男系」維持に拘る論者でも、責任ある議論をしようとる場合、
女性・女系天皇を“絶対”に排除すべし、との立場の人は殆どいない。

例えば、以下の通り。
「万一の場合には、皇統を守るために、女帝さらには女系の選択
ということもあり得る」(百地章氏『憲法の常識 常識の憲法』)

「正直に言えば私とて、女性天皇に絶対反対というわけではない。
男系継承という道を探して、万策尽きた場合には女性天皇も
女系天皇もやむを得ないとは思う」
(八木秀次氏『本当に女帝を認めてもいいのか』)

「私は男系『絶対』主義ではなく、男系『優先』絶対主義」
(新田均氏、令和元年12月22日、大阪・国民会館での討論会にて)

「『女系継承であれば、もはや天皇ではない』という見解が
ありますが、私はそういうことは言いませんし、思いません」
(宇山卓栄氏『世界史で読み解く「天皇ブランド」』)等。

こうした状況で、政府がことさら、女性・女系天皇を議論の
爼上に載せまいとする動機は何か。
わざと皇室を滅ぼしたいのでなければ、その選択肢をきちんと
取り上げた瞬間に、議論の結論がそこに落ち着く以外ないことが、
事前に分かっているからではないか。

国民の多くから孤立した一部勢力の反発を、いまだに配慮して、
姑息な誤魔化しと問題の先送りを図っているのか。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

次回の開催予定

第92回

第92回 令和2年 10/11 SUN
14:00

テーマ: 「『コロナ論』が炙り出したもの」

INFORMATIONお知らせ