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高森明勅
2020.2.27 00:34皇室

日本書紀の「女性リーダー」像

日本書紀に登場する代表的な女性リーダーの1人、
神功(じんぐう)皇后。
第14代・仲哀天皇の皇后だった。
しかし、九州のクマソ征討の最中、天皇は急に崩御(ほうぎょ)された。
日本書紀には、自らクマソを討とうとされ、敵の矢に当たって
亡くなられた、との一説も載せている。

もしこれが事実なら空前絶後の出来事。
その後、神功皇后は神託を重んじて、クマソを背後から
支援していると見られた、朝鮮半島の新羅(しらぎ)征伐を
決意される。
その時の皇后のご発言はおよそ以下のようだったという。

「戦役を起こして軍兵を動かすのは、国家の一大事である。
もしそれが失敗に終われば、罪は重臣にあることになる。
しかし、それは深く心が痛む。
だから、私は女性であり、至らない身ではあるが、雄大な計画を
自ら決断しよう。
神のお力を戴き、重臣らの助けによって、かの国を攻めよう。
もし事が成功すれば、それは重臣ら皆に功績があったからだ。
失敗したら、私一人の罪だ」と。

まことに潔く、天晴れな勇断ぶりと言わねばならない。
これが正確な史実がどうか。
勿論、その真偽は保証の限りではない。
しかし、古代の日本人にとって、女性リーダーたる神功皇后なら、
かかる場面において、必ずやこうしたご発言をされるに違いない、
と信じられていた。
そちらの事実は疑えないだろう。
少なくとも古代の日本は、決して“男尊女卑”の国柄ではなかった。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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