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高森明勅
2020.4.14 06:00皇統問題

「おじ・おば」日本とシナの違い 

数年前に公表した私の皇室典範改正試案の第2条(皇位継承順序)。
その第7号について以下の条文案を示していた。

現行「皇伯叔父(=天皇の伯父・叔父)及びその子孫」
→「皇伯叔父“母”(=天皇の伯父・叔父と伯母・叔母)及びその子孫」
第1条(皇位継承資格)の「男系の男子」という縛りを解除した場合、
それに連動して、天皇の「おじ」だけでなく「おば」にも皇位継承資格
を認めることになる。
だから、これは当然、改正しなければならない部分だ。
ところが、
漢字“本来”の用法に照らせば、上記の改正案では
不備になってしまうはずだ。
だから、そこは訂正が必要か、と気に掛けていた。

ところが、この度、改めてわが国でのおじ・おばの漢字表記について

点検してみると、特に訂正は無用であることが分かった。
漢字本来の用法では以下の通り。父方=おじ伯父(父の兄)・叔父(父の弟)。
おば姑(父の姉妹)。
母方=おじ舅(母の兄弟)・おば姨(母の姉妹)。

明確に、父方つまり「男系」と母方つまり「女系」を、区別している
(詳しくは、“方”と“系”の区別があるものの、ここでは立ち入らない)。
特に父方の男兄弟だけ、年上か年下かで、更に表記を変えている
(明らかに父方の男兄弟を重視)。
では、日本の場合はどうか。
父方・母方の区別は無い。
父母より年上なら伯父・伯母、年下なら叔父・叔母。
ただそれだけ。

男尊女卑で「男系社会」だったシナにおける漢字本来の用法とは異なり、
男系・女系の区別をしない(漢和辞典には、日本語特有の熟語の意味として、
国内の用法も付け加えている)。これは古代から、大和言葉ではオジ・オバの呼び方について、
父方・母方の区別が“無かった”事実が、前提になっている。
元々は年上・年下の区別も無かった。

しかし、漢字の知識が入ってから、伯(年長)・叔(年少)の字を使って

わざわざ区別するようになった。
敢えてその区別はしても、父方(男系)・母方(女系)の区別には
“無頓着”なのが、面白い。
いかにも「双系社会」の日本らしい。とにかく、条文の改正案としては、当初のままで特に訂正は必要ないことを
確認できた。
併せて、日本社会における“双系の伝統”の根強さも、改めて想起させられた。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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