ゴー宣ネット道場

BLOGブログ
高森明勅
2020.4.15 06:00皇統問題

私のコメント 

神奈川新聞記者(経済部キャップ)の田崎基氏から
ご自身の著書『令和日本の敗戦ー虚構の経済と蹂躙の政治を暴く』
(ちくま新書)を送って戴いた。
以前、何度か取材を受けた記者の方だ。
本文中に私のコメントも掲げてあった。
次の通り。

「天皇制の維持と退位制度の創設に強い思いをにじませ、
『国民の理解を得られることを切に願っています』と締めくくった
平成の天皇による『お言葉』であったが、安倍政権は退位制度を
恒久化することなく、『一代限り』の特例法によって退位を認める形で
解決した。

これが異常な解決策であったことを記憶にとどめておきたい。
…現行制度にない天皇の生前退位を新たに認めるのであれば
(憲法の規定に忠実に従う限り)『皇室典範』を改正するほかない。
だが政府はその憲法に明記された方法をとらなかったのだ。
このやり方に、天皇の歴史や制度に詳しい高森明勅氏は『遺憾だ』と
憤りをあらわにする。

『天皇の地位と、尊厳にかかわる問題。
皇室典範の改正が唯一の選択肢だったはずだ』天皇が終身在位する制度は、
過去の天皇の歴史からすればむしろ異例で、生前退位が標準的な皇位継承
の形だという」

このコメントはどの局面で取材に応じた時のものだったろうか。
政府は特例法を皇室典範と法的に「一体」のものとする抜け道を考え出した。
更に、典範の本則はそのままとして、附則だけを「改正」するという便法を
用いた(特例法附則3条)。

その結果、ギリギリ憲法違反を免れながら、典範それ自体に向き合うのは
回避するという、狡猾(こうかつ)な“綱渡り”を演じて見せたのだった。
他の事案ならともかく、尊厳この上ない皇位の継承について、こうした
姑息(こそく)醜悪な奇策を許してしまったことは、皇室に対して
国民の1人として慚愧に堪えない。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

次回の開催予定

第94回

第94回 令和2年 12/6 SUN
14:00

テーマ: 「コロナ後のリベラル」

INFORMATIONお知らせ