ゴー宣ネット道場

BLOGブログ
泉美木蘭
2020.4.22 23:50

どんどんヘンなことになっていく

コメンテーターになった芸人が、パチンコ屋に行く人を
なじってるのを見ると、ガッカリしちゃうなあ。
パチンコ屋って芸人の営業先だもん…。

郵便局員が感染して、町内の郵便ポストが投函禁止になっている
というニュースを見たけど、どーゆー理屈なん?
そんなことしてたら物流という物流が止まっちゃうよ~。

もしうちの地区で郵便局や郵便ポストが閉鎖されたら、
仕事の請求書が発送できなくなっちゃうわ。
そうなると翌月末の入金に支障が出る可能性があるから、
投函できるポストを探し求めて旅にでるか、
請求先の会社を訪ね歩いてそれぞれ手渡しするしかないな。

どんどんヘンなことになっていく。
しかし、価値観っていとも簡単にひっくり返るのな。

以前、スーパーの肉売り場で試食販売員のバイトをやって
いたんですよ。
指定されたスーパーへ出向いて、ホットプレートでお肉や
ウインナーを焼いて、香りを出して人寄せしたり、
一口サイズに切って、爪楊枝で食べてもらうというやつね。
大きなスーパーに行ったりすると、
確実に売上を伸ばす“伝説の試食販売員”と称されるおばちゃん
がいたりして、すごく面白い世界だった。

あれはスーパーに勤めるのではなくて、試食販売専門の会社が
あって、販売員は自前で道具を用意して、研修を受けてから
各スーパーへと出動するのだけど、私が所属していた会社は、
少ない人数で回していたので、規則がものすごく厳しかった。

「仕事を引き受けたからには絶対に欠勤することなく、
現場のスーパー様へ行っていただきます。
例え40度の熱があっても、お身内が亡くなっても、
仕事に出ていただいています!」

「体調管理も含めて、仕事と考えていただきます。
万が一、当日欠勤の場合、損害賠償を請求します!」

「それが困るなら仕事を引き受けないでください!」

自前の道具を持っていて、研修を受けた人でないとやれない
仕事で、替え玉が簡単に見つからない
というのもあるけど、
ドタキャンするいい加減なバイトがよっぽど多かったのか??
とにかく「絶対に休んではならない」という圧がものすごかった。
それほど切羽詰まった状態で人を回している会社だった。

で、そんな厳しい熱血バイトなのに、一度、出動前夜に39度の熱を
出してしまい、ダメ元で会社へ電話をしたのだけど・・・
「変わりの人がいないんです。とにかく何とかして行って下さい!」
損害賠償も困るから、薬局の薬を飲んでむりやり行くことになり。
スーパーのお肉コーナーってすごく寒いんですよ。
薄手のシャツと薄手のカーディガンとエプロンしか着てはいけない
ので(もちろんズボンははいてるぜ)、朝10時から20時まで、
笑顔を絶やさずガクブルだった。

でもコロナの時代の今じゃ「高熱で出勤した場合、損害賠償!」
なんて言われるでしょ、これ。
というか、スーパーが入場制限する事態じゃ、試食販売員自体が、
お呼びがかからなくなって、職を失っているだろう。
切羽詰まった小さな会社は本当に本当にいっぱいある。

食いっぱぐれない人間の無責任すぎる言い分が、どれだけの人を
路頭に迷わせるのか、想像すると本当にムカつく。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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