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高森明勅
2020.6.27 06:00政治

国家の「4つの役割」

国家にはどのような存在意義があるのか。
果たして、そのことが、学校教育の場でしっかり
教えられているのか。
教科書にちゃんと記述されているのか。
『新しい公民教科書』(代表執筆者・小山常実氏)では、
国家の役割を以下の4つに整理している。
①防衛
②社会資本の整備
③法秩序・社会秩序の維持
④国民一人ひとりの権利保障
的確な整理の仕方だろう。
具体的には、以下のような記述が見られる。
「歴史を振り返ると、外敵からの防衛は国家の
重要な役割でした。
また、道路や橋の建設など、土木工事を行って、
生産と生活の基盤となる社会資本の整備を図ること、
そして法を制定し、法に基づき社会秩序を維持し、
国内に平和をもたらすことも、国家の重要な役割です」
(単元14「国家の成立とその役割」)
「国民国家はそれまでの国家の役割である、
防衛と社会資本の整備と社会秩序の維持とともに、
国民一人ひとりの権利の保障を新たな役割として
とり入れたことになります」(単元15「立憲主義の誕生」)
わが国の戦後教育では、戦前・戦中の「国家」主義への
“反動”からか、国家を軽視又は無視、更に敵視するような
傾向すらあった。
他のどの科目よりも、最も「国家」というテーマを
真正面から取り上げるべき“公民”教育においてさえも、
『新しい公民教科書』第3版(平成24~27年版)の
登場まで「本格的に国家論を展開した教科書は存在
しなかった」(小山氏)という。
驚くべき事実だ。
そもそも「公民」とは、歴史上、豪族らの私的・個別的な
支配から脱し、国家の公的・普遍的な統治のもとに、
“改めて”位置付けられた民衆を意味した。
、一般的にも、国家の政治に参与する地位にある
国民を示す。
ならば、公民教育に“先ず”求められるのは、
「国家」についての健全な基本認識ではあるまいか。
その意味で、同教科書が各地の教科書採択地区
(採択の権限は地元の市町村教育委員会にある)
で採択され、より多くの中学生の手元に届くことを
期待したい。
又、既に一般向けに刊行されている
『市販本 検定合格 新しい公民教科書』(自由社)も、
社会人に広く読まれて欲しい。
【高森明勅公式サイト】
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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