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高森明勅
2020.9.27 06:00皇室

わがゆく道を正さむと

昭和天皇の戦後の御製(ぎょせい)。
その中で、「君主」としてのご自覚が率直に表されているものに、
昭和41年の新年歌会始にご発表になった1首がある(お題は「声」)。

日日のこの
わがゆく道を
正さむと
かくれたる人の
声を求むる

昭和天皇は、「天皇」として、又「国民統合の象徴」としての
日々のお務めに、誤りや至らぬ点は無いか、ご自身で厳しく反省を
重ねておられた。

常日頃、側近の者達の意見を聴かれるのは勿論(もちろん)だ。
それでも、なお足らない所があるかも知れない。
だから、地位や名誉とは無縁な市井(しせい=巷〔ちまた〕)の、
目立たない人々(「かくれ〔隠れ〕たる人」)の“真実の声”にも、
心を澄ませて耳を傾けたいーという、ご自身の「お務め(わがゆく道)」
に対する謙虚で真摯なお気持ちを歌われている。

これこそ、「君主」という高い地位にあられるが故に、一層、
心掛けられるべき誠実なご態度に他ならない。
にも拘(かかわ)らず、普通の場合、地位が高くなればどうしても、
驕(おご)りや高ぶり、緩(ゆる)み、弛(たる)みが生まれがちだ。

まして、「世襲」の君主となれば、尚更(なおさら)だろう。
ところが、昭和天皇はそうではなかった。
その事実は何より、「君主」としての責務を背負い続けられた、
高貴なご生涯そのものが証明している。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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