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高森明勅
2020.10.2 06:00皇統問題

旧宮家案VS女性宮家案?

皇位の安定継承を目指す制度改正を巡って、
世間に誤解があるのではあるまいか。

旧宮家系国民男性に、結婚という人生の一大事を介さないで、
皇籍取得を可能にするプラン(旧宮家案)と、
内親王方がご結婚後も宮家の当主として皇籍にとどまられることを
可能にするプラン(女性宮家案)、という2つの解決策が対立している、と。

しかし、それは違う。

どちらも“それだけ”では安定的な皇位の継承には繋がらない。
それらに「女性天皇」を可能にするプランを加えても同じだ。

過去の「男系」継承に絶大な貢献をして来た側室が不在で、
非嫡出による皇位継承の可能性が無くなった以上、
これまで通り男系限定という“縛り”を維持したままでは、
決して危機は打開できない。

だから、問われているのは
「旧宮家案か女性宮家(プラス女性天皇)案か」ではない。

そうではなくて、「非嫡出による継承可能性が失われても、
従来の“男系限定”の縛りをそのまま維持するか、それともそれを見直すか」。

真の対立点はここにある。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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