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高森明勅
2020.10.22 06:00皇統問題

皇統問題、最後の戦い?

皇位の安定継承に向けた政府の検討。
いよいよ先延ばしできない局面に差し掛かった。

11月8日の「立皇嗣の礼」が終わると、本格的な検討に着手するというのが、
これまでの約束だ。

しかし、政府の従来の国会での答弁の仕方を点検すると、
この期(ご)に及んで、まだ見え透いたゴマカシに逃げるかも知れない。
さすがに旧宮家案は排除されても、油断大敵。

「皇族数の減少」についてだけ、“目眩(くら)まし”的に
手当てをするポーズだけ見せて(場合によっては特例法も)、
何より肝心な「安定的な皇位の継承を維持する」為の制度改正
(この場合は皇室典範の改正が不可欠)は、更に先延ばしする可能性がある
(悠仁親王殿下のご即位までは大丈夫…とか言い張って!)。

しかし、そこに手を着けなければ、もし「女性宮家」や「女性天皇」を認めても、
必然的に“一代限り”にならざるを得ない
(その場合、敬宮〔としのみや、愛子内親王〕殿下は一代限りの
女性宮家の当主というお立場)。

それでは何の解決にもならないし、当事者の方々にとって
非礼この上ないばかりか、率直に申し上げて残酷だ。
これから政府の検討が本格化した場合、「皇族数減少」だけへの
“限定的”な対応(=皇位の安定継承“切り捨て”)という
方向性をいかに遮断するかが、最大の焦点になりそうだ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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