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高森明勅
2020.11.23 06:00皇統問題

皇室典範・第1条を改正すると…

改めて言う迄もなく、側室が不在で、非嫡出の継承可能性が無くなった以上、
皇位の安定継承、皇室の存続と「聖域」性の保持を願うなら、
皇位(と宮家)の継承資格を「男系男子」限定し続けることは出来ない。
この点への理解は、以前に比べて格段に広がっているはずだ。
これを踏まえて、皇室典範の第1条(皇位継承の資格)を改正すれば、
以下のようになる。

「皇位は、皇統に属する子孫が、これを継承する」
現行の第2条(皇位継承の順序)は、特に変更する必要は無い。
次のような条文だ。

「1 皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
一 皇長子
二 皇長孫
三 その他の皇長子の子孫
四 皇次子及びその子孫
五 その他の皇子孫
六 皇兄弟及びその子孫
七 皇伯叔父及びその子孫
2 前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、
最近親の系統の皇族に、これを伝える。
3 前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする」

先の改正第1条と現行第2条を、現在の皇室にそのまま適用すると、どうなるか。

第一号の「皇長子」に当たるのは敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下。
しかも、敬宮殿下の場合は「皇嗣たる皇子」なので、「皇太子」と称される(第8条)。

現在、皇嗣であられる秋篠宮殿下は第六号に該当される。
よって、皇位継承順位は第2位に移られる。
第2位なので、当然、もはや皇嗣ではなくなられる。
これは、次の天皇になられることが規範・理念上、確定している
直系の皇嗣(皇太子・皇太孫)で“ない”以上、普通に起こり得ることだ
(秩父宮の前例など)。

しかし、皇位の継承資格そのものを失われる訳ではないので、
その点は誤解の無いように。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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