ゴー宣ネット道場

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笹幸恵
2020.12.4 16:37メディア

GoToがインパール? 悪質な印象操作。

今朝配信のヤフーニュースでこんな記事が載っていた。

岩田健太郎医師「GoToは異常。旧日本軍のインパール作戦なみ」〈週刊朝日〉

ガダルカナルの次はインパールか。

記事で、岩田医師は次のように述べている。

国はGo Toの一時停止についても
自治体に判断を任せるなど無責任です。
そもそも撤退プランもなくキャンペーンを
始めたことが異常です。
多くの旅行業者が対応に追われていると聞き呆れました。
失敗を想定しないプランというのは、
無謀な作戦で多くの犠牲を出した旧日本軍の
「インパール作戦」と同じです。 

一読して、何がインパール作戦と同じなのか、全くわからない。
失敗を想定しないプランだから?
じゃあGoToキャンペーンは何をもって失敗なんですかね。
GoToキャンペーンが感染拡大の要因である根拠はないし、
感染したところで多くの人が無症状、
これのどこが、どうやったら失敗になるのか。

また、「多くの旅行業者が対応に追われている」ことを
もって「無謀な作戦」としているふうにも読み取れる。
言っておくけど、インパール作戦は「対応に追われる」どころじゃない、
ビルマからアラカン山系を越え、英印軍の拠点を攻略しようとした作戦で、
2万5000名もの死者を出した。
ビルマへと撤退する中で兵士がバタバタと倒れ、
撤退ルートは「白骨街道」と呼ばれている。
旅行業者が白骨になったのか?
GoToキャンペーンという無謀な作戦で、
2万5000名もの死者を出したというのなら、
100万歩譲ってインパール作戦になぞらえることもできるかもしれない。
が、累々たる屍が横たわっているわけではない。
そもそも声の大きいコロナ恐怖症の人々が不安を煽るから
政府は右往左往して、旅行業者が対応に追われるのだ。

GoToの中止で、飲食業や観光業は軒並み大打撃を受ける、
そちらのほうがよっぽど生活困窮者を生み出す要因となる。
10月の自殺者は、コロナの死者を上回っている。
とくに女性が多い。
観光業や飲食業などのパートタイムで働く女性は多く、
彼女たちはこのコロナ禍の影響をもろに受けている。
致死率のきわめて低いウイルスの感染を防ぐためなら、
経済的困窮による自殺者を多く出しても仕方がないと?
無謀な作戦を推し進めようとしているのは一体どちらか。

最も腹立たしいのは、そうやって政府のコロナ対策を
日本軍の作戦になぞらえて、さも悪質であるかのように
印象操作をしていることだ。
GoToキャンペーンがインパール作戦?
バカも休み休み言え。
GoToキャンペーンの利用は「自由意志」である。
義務でもなければ強制でもない。
利用するもしないも個人の自由。
日本軍の場合、上官の命令は絶対だ。
GoToキャンペーンを利用しなければ
政府によって抗命罪で罰せられるわけではない。
敵前逃亡で死刑になるわけでもない。
これのどこが、インパール作戦なのか。
政府のコロナ対策を何とかして貶めたいのだろうけど、
あいにく私たちは日本国憲法下で生きている。
この程度のキャンペーンをインパール作戦になぞらえるなど、
はっきり言って、彼の地で戦った兵士に失礼である。

この記事をまとめた記者も、なんとな~くの雰囲気で
文章をまとめるんじゃないよ。
何かを語っているようで、この一文、何も語っていない。
ただインパール作戦だけが見出しとなって一人歩きする。
まったくもって悪質な印象操作である。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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