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笹幸恵
2021.1.8 00:19日々の出来事

集団ヒステリーここに極まれり。

昨日は一日中、メディアはコロナ感染者数の増加と
緊急事態宣言を取り上げていた。
もはやコロナはそれほど恐れるウイルスではなく、
指定感染症のレベルを引き下げれば済む話だと思いながら
見ていると、危機感を訴える専門家や医者、政治家の姿が
全く奇妙で滑稽で腹立たしい。
そればかりか、宣言が遅すぎたという市井の人もいれば、
もっと強力な対策をとるべきだと叫ぶ政治家もいる。
集団ヒステリーここに極まれり。

1都3県以外にも宣言を出すべきだ、
そうでなければ医療体制の崩壊は免れない、
自粛しない店舗にはもっと罰則を強化すべきだ等々、
強硬策を訴える人ほど注目される。
さも「何かを言っている」ように聞こえる。
彼らは、我こそは眼前の危機を最も「危機」として
捉えることのできるエリートなのだと言わんばかり。
対英米戦開戦前後もこんな具合だったのか。
コロナなんてたいしたことないじゃないかと
言おうもんなら非国民扱いだ。

戦前にも、「コロナなんてたいしたことない」と
正しい指摘をした組織があった。
さまざまなデータを分析し「日米開戦は不可能」と
結論付けた総力戦研究所である。
しかしその声はかき消された。
気が付けば鬼畜米英がスローガンになっていた。

エリートを気取って危機を煽り、強硬策を叫ぶ専門家や
医師、政治家こそ、戦前なら間違いなく
対英米戦開戦に邁進した人々だ。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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