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高森明勅
2021.1.9 06:00その他ニュース

新型コロナの死者数

政府は、新型コロナウイルス感染症への対処として、
東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県を対象に、2度目の緊急事態宣言を発令した。

では、新型コロナによってこれ迄に何人の死者が出ているのか? 
正確な数はよく分からない。
他の死因による事例(間接死とも言えないケース)も、新型コロナの
死者にカウントされている可能性がある為だ。
だから、多めの数字になっているはず。

それでも、改めて弁別するのは困難なので、公表された数字を元に、
年齢別の死者数を見ると以下の通り(緊急事態宣言発令を決定する直前の
1月6日時点、東洋経済オンライン「新型コロナウイルス 国内感染の状況」より)。

80代以上が2141人、70代が839人、60代が293人、50代が97人、40代が32人、
30代が10人、20代が2人、10代が0人、10歳未満が0人、年齢不明が56人。
合計3470人。

これが多いのか、少ないのか。
平成30年のインフルエンザによる直接死が3325人(厚生労働省、人口動態統計)、
間接死も含めると毎年約1万人程度とされる。
恐らく比較すべきは間接死も含めた数字だろう。
すると、通常のインフルエンザのおよそ3分の1。

年齢別の死者数では、80代以上が全体の6割以上を占めていることが分かる。
70代も加えると、ほぼ86%。死者の殆(ほとん)どが70代以上ということになる。
60代を足すと、実に95%近く。
これに対し、40代以下を全て数えても44人だ(年齢不明者も、判明者の比率から
類推して、その多くが高齢者と想像するのが普通の考え方だろう)。

重症化し死に至る場合は、基礎疾患が重要な要因になっているという。
現に、80代以上でもPCR検査の陽性者1万7399人のうち、1万1729人は
既に回復済み。

20代の場合は、陽性者が5万8346人で、回復済み5万3295人、重症者0人、
死者は前出の通り2人だ。
一先ずこの数字を元に計算すると、20代の致死率は0.0034%位。
概数で陽性者約3万人に対して1人の死者数となる。
新型コロナについては、こうした客観的なデータに基づいて
正しく恐れる必要がある。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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