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高森明勅
2021.1.18 06:00皇統問題

「4つのシナリオ」の見通し

今年こそ解決すべき皇位の安定継承への取り組みについて、
先に4つのシナリオを想定した。

一先ずこれを元に、現時点での見通しを述べておこう。

政府は当初、③の特別職の国家公務員案で押し切るつもりだった。
その場合、①の「男系男子」限定の“縛り”を見直して、女性・女系天皇と
女性宮家を認める皇室典範の改正を求めても、③と①の“綱引き”
になってしまう。

そうすると「足して2で割る」式に、②の「男系」の縛りは維持しつつ、
「男子」限定だけを解除して、一代限りの女性宮家と男系の女性天皇を認める
辺(あた)りで、妥協を強いられる可能性が高かった(最悪は③で決着)。

ところが、政府としては不本意なことに、③を差し当たり、取り下げざるを
得なくなった。

そうすると、具体的な選択肢として①と②の綱引きという土俵を設けることも、
必ずしも不可能ではなくなったのではないか(主戦場はそこかも。最善は①で決着)。
だが②は、“現実主義”的な(?)政治家には魅力的に感じられてしまう危険性がある。
これを「匍匐(ほふく)前進」(津村啓介衆院議員)と評価する向きもあるかも知れない。
しかし、一代限りの女性宮家なり女性天皇なりの、「次」の時代には早々と
行き詰まることが、“初めから”誰にでも予測できる。
実際上、皇位の「安定」継承には何ら繋(つな)がらない。
だから、重大な決断を又ぞろ先延ばしするだけの、無責任この上ない
「後は野となれ山となれ」プランと言うしかない。

結局は、④の「神風が吹く」(安倍晋三前首相)のをひたすら信じて(?)待つか、
改めて「男系」の縛りを外して、女性天皇や女性宮家のお子様方にも皇位継承資格を
認める①を目指すか、その二者択一にならざるを得ない。
そのような、予(あらかじ)め行き詰まることが分かり切ったプランの為に、
内親王方の“たった一度限り”の人生を犠牲にして戴くのは、余りにも申し訳ない。

だが政界の現状を見ると、残念ながら②に逃げ込もうとする政治家も、
決して少なくないはずだ。あくまでも「匍匐前進」論(正しくは迂回又は回避論)を排し、
皇位の安定継承への唯一の「正解」である①のシナリオを実現すべく、
最大限の努力をしたい。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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