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高森明勅
2021.2.21 06:00皇統問題

危機の原因は「男系男子」限定

意外と見落とされているようなので、念の為に言及しておく。
現在の皇室は幸い、お子様に恵まれている、という事実。
天皇・皇后両陛下をはじめ、常陸宮家を除き、秋篠宮家は勿論(もちろん)、
三笠宮(寛仁親王)家、高円宮家にも、それぞれ皆様お1方以上のお子様が
いらっしゃる。

にも拘(かかわ)らず、皇位継承の将来が不安視され、
皇族数の減少への対策が早急に求められている。
これは何故か。

言うまでもなく、皇位を継承でき、宮家の当主になれるのが、
「男系男子」に“限定”されている為に他ならない。
元々、お子様に恵まれないのであればともかく、多くのお子様が
現にいらっしゃりながら、皇室それ自体の存続が危ぶまれている。
改めて考えてみると、何とも奇妙なことではないか。

その原因は、「男系男子」限定という、側室の存在と非嫡出の継承を
前提としてこそ維持可能だった継承資格の“縛り”が、そのまま見直されずに、
放置されていることだ。
一夫多妻の国(サウジアラビア、ヨルダン)ならともかく、
近代的な立憲君主国で「男系男子」の縛りを頑(かたく)なに維持して、
そのせいで多くのお子様に恵まれながら、君主制そのものが消滅の危機に
直面しているような国が、他にもあるのだろうか。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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