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高森明勅
2021.3.24 06:00皇統問題

皇室典範と女性宮家

先日、皇室経済法と「女性宮家」について取り上げた。
同法は内親王・女王が「独立の生計を営む」可能性を認めている
(第6条第3項第3号・第5号)。
それを“女性宮家”と呼ぶことも可能だろう。

しかし、それはあくまでも“ご独身”のまま「独立の生計を営む」場合だ。
ところが、皇位の安定継承を巡るこれまでの議論の中で
対象になっている「女性宮家」は、内親王などが“ご結婚後”も
そのまま皇籍に留まり、ご自身が当主となられて
「独立の生計を営む」ケースだ。
事情が全く異なる。

後者の意味での「女性宮家」を可能にするには、
皇室典範の改正が欠かせない。
何故なら、典範第12条には以下の規定があるからだ。

「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、
皇族の身分を離れる」と。
この規定が維持されている限り、内親王などは
(国民男性などとの)ご結婚と共に「皇族の身分を離れる」
ことになる。

又、第15条にも次のような規定がある。
「皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合
及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となる
ことがない」と。
第12条だけを改正しても、この条文がそのまま残っていたら、
どうなるか。

内親王などを当主とする宮家が設けられても、
その配偶者たる国民男性は、「皇族」になることが出来ず、
「国民」に留まることになる。
その場合、新しく創設された女性宮家は、皇族と国民が
1つの世帯を構成するという、極めて不自然な形になってしまう
。よって、同条の改正も不可欠だ。
私が既に公表している叩き台としての改正案は以下の通り。

第12条 
女王は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、
皇族の身分を離れる。
但し、やむを得ない特別の事由があるときは、
皇室会議の議により、皇族の身分を離れない
ものとすることができる。
(これによって、内親王はご結婚後も皇籍に
留まられることになり、女王も「特別の事由があるとき」は、
皇籍に留まられる)

第15条 
皇族以外の者及びその子孫は、天皇及び皇族と
婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。
(これによって、国民は男女に関わりなく、
天皇・皇族とのご結婚を介して皇籍を取得できる)

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高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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