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高森明勅
2021.4.24 06:00皇統問題

4月21日、皇位継承有識者会議ヒアリングでの女性・女系容認論

去る4月21日、皇位継承を巡る有識者会議の
第2回ヒアリングが実施された。

日本近現代史の専門家で日本大学文理学部教授・古川隆久氏、
日本中世史の専門家で東京大学史料編纂所所長・本郷恵子氏らが、
女性・女系天皇を容認すべきであるとの立場を明確に示された。
本郷氏の説明資料から。

「〔皇位継承資格を男系男子に限定する現在の制度について〕
今日の家族観や性別についての考え方からすれば、
男女の別のみにもとづいて、このような身の振り方を分ける
やり方には疑問を感じざるをえない」

「〔内親王・女王に皇位継承資格を認めることについて〕少数であれ、
天皇位に就いた女性がいたという事実は、たとえば他の大臣・大納言
のような役職には決してみられないものである。
天皇は…必ずしも女子を排除する存在ではないと考えられる。
また、中世には内親王が、皇室領の継承者・天皇家の構成員の
庇護者としてあらわれるなど、確固たる役割を担った事例がみられる。
このような歴史的事実を踏まえれば、内親王・女王への皇位継承資格の
拡大という措置は、驚くべき展開ではなく、一定の根拠をもつものと
理解することができる」

「〔皇位継承資格の女系への拡大について〕女性皇族に皇位継承資格を
認めるのであれば、男性皇族と同じ条件で処遇するのが論理的な筋道に
かなったやり方である。
皇位継承資格の女系への拡大は当然であろう。
…女系による皇位継承は先例のないことではあるが、
長きにわたる天皇の歴史を十分に理解したうえで、新しい段階に
歩を進める決断をすることは、伝統を更新し、その価値を再認識する
意義を持つであろう」

「〔皇統に属する国民男性の皇籍取得について〕旧宮家が皇籍を
離脱して以来、すでに70年以上が経過しており、国民にとっては
全く遠い存在となっている。
皇統に属する男子というだけでは、皇位継承資格者として
現在の女性皇族を上回る説得力を持つとは考えられないのでは
ないだろうか。
また…〔養子縁組や別に皇籍を取得する場合〕いずれにしても、
皇統に属する男系の男子のなかから、なんらかの選択を行うことに
なるだろうし、当事者の側の希望や事情なども勘案する必要が
あるだろう。
…厳密な血統継承には人智を超えた部分があり、
(婚姻によって皇族となる場合を除き)選択や希望の結果として
皇族になるというのは、そぐわないのではないだろうか」

「天皇制は、明確な検証を経ないまま続いてきた。
この機会に女性・女系への継承資格の拡大が実現すれば、
国民たる私たちは、天皇制の存続について非常に重要な決定を
行ったという、大きな自信を持つことができるのではないだろうか」

傾聴すべき指摘が含まれている。

古川氏の説明資料も、もとよりそのまま支持し難い箇所も見掛けるが、
興味深い。
同資料の脚注に、平成17年6月8日の皇室典範有識者会議の
ヒアリングでの私の意見陳述を取り上げて戴いたのは光栄だ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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