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高森明勅
2021.4.27 06:00政治

日本国憲法の正当性の根拠とされた「8月革命説」は成り立たない

日本に主権が無かった被占領下に制定された日本国憲法。
果たして「憲法」としての正当性はあるのか。
この本質的な疑問への回答として、長く通説的な位置にあったのが
宮澤俊義氏が唱えた「8月革命説」だった。

①わが国が、“国民主権”への転換を求める「ポツダム宣言」を
受諾したことで、昭和20年8月14日の時点において既に法的な意味で
“革命”が起きていた。

②その革命の結果、主権者となった国民が定めた憲法だから正当だ。
…という意見だった。

しかし、率直に言って①も②も成り立たない。
①ポツダム宣言(10・12項)が国民主権への転換を求める
内容だったという解釈は、明らかに無理。
同宣言10項には「民主主義的傾向の“復活”強化」とあって、
帝国憲法下に既に「民主主義的傾向」があった事実を認め、
その「復活」を求めている以上、当然ながらそこに「革命」の根拠を
求めることは出来ない。

又、12項の原文には「the Japanese people」とあり、
これは文脈上、天皇に対する“国民”を意味するものではなく、
同宣言に出てくる「連合国(占領軍)」に対する「(天皇も国民も含めた)
日本人(日本国人)」と理解する以外にない。

従って同項は、建前として、一先ず“民族自決の原則”を保障したものだ。
国民主権をことさら要請していない。

②しかも、同宣言受諾後、日本は暫く被占領下に置かれ、
その状態のまま憲法が制定された以上、“主権者たる”国民が
憲法を定めた…などという事実はどこにも存在しない。

「8月革命説」は虚構に過ぎない。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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