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泉美木蘭
2021.8.22 15:15

大前提を疑える自由

きのう生放送帰りの地下鉄で、
小林先生と話したことを思い出しながら、
もっと思考の自由を広げていけるように、
敏感になっていかなきゃいけないなと考えた。
 
「自由が大事だ」と聞くと、
自由にふるまうとか、
自分の好きなことができるとか、
人間的でない規制に支配されたくない、
というような「行動」の自由については
イメージしやすいと思うけれど、
「思考」の自由もものすごく意識しておかなければ
いけないと思う。
 
たとえば、ニュージーランドでは、
たった1人の感染者のためにロックダウンが決定され、
アーダーン首相の演説が褒められ、
「民主主義が発達している」と賛美される現象が起きている。
ここで、「民主主義という大前提」を疑ってみることが
できるかどうか、ということが、
「思考」の自由、思想するということの入り口なんだと思う。
 
医者や専門家による「科学的」とされる話のなかにも、
大前提が疑わしいことが、けっこうあると思う。
だけど、いろんな都合や、事情や、立場や、プライド、劣等感、
その他の感情などにいつのまにかコントロールされてしまい、
自分の考え方が依拠している大前提を疑ってみるということが
できないまま、ある一定の範囲の世界の中で、
なんとか安全に棲息することを選んでしまう人のほうが
多いのだと思う。
棲息するだけなら良いけど、それが有害になることがある。
そういったものに無意識のうちにふんわりと丸め込まれている
ことだってある。

ものすごく難しいことだ。

時には大前提、自分自身をも疑う視点を持てるということが、
自由というものの本領のようにも思う。
  
幸い、日々「あ、そうかぁ!」と新しいことに気が付いたり、
「あちゃー!」と舌を出したりすることは起きているので、
それまでの自分の思考の不自由さについても、
ちょっぴり意識してみようと思う。
    
あと、まったくなんの関係もない話だけど、
「ジョセフィーヌ」にめちゃめちゃはまっている。
あるルートから入手した「ジョセフィーヌ」、
野菜にも豚肉にもドボドボかけて、超おいしくて最高。

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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