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笹幸恵
2021.12.19 14:07皇室

岩田温のじつに薄っぺらい感性について(『WiLL』2022年1月号)

『WiLL』2022年1月号に小室夫妻ーNYセレブ逃避行
と題して、岩田温、竹内久美子の寄稿と
谷本真由美・飯山陽の対談が掲載されている。
この3本、まったく正気を疑うような内容なので、
ここできちんと取り上げておくことにしたい。


まずは第一弾、岩田の「まぎれもない皇統の汚点」
という記事。
眞子さん小室さんがことごとく間違っている
というのが大前提としてあり、
結婚に反対したのは皇室を敬愛する国民で、
結婚に賛成したのは皇室を軽んじている人々だ
と断じている。
敬愛するからこそ心配もするし反対もするのだと、
自身の上から目線は棚上げして偉そうに語る、
自称保守の典型的パターンだ。

小室さんに対する批判もズレまくっている。
「お金を返したら借金であったことにされてしまう、
借金を踏み倒そうとしていたことになってしまう、
それを仕方のないことだとは思えなかった」という
小室さんの言に対し、岩田はこう綴っている。

自身と家族の名誉を守るために、受けた金銭的援助を
借金だとは認めない。借金でないものを借金だと
言い募る元婚約者の態度は納得できない。この態度に
人間的な温かみや誠実さを感じることができるだろうか。
どのような名目であったにせよ、金銭的な援助が
あったのは事実である。少なくとも、援助に対する
感謝の念が表明されてしかるべきではないか。

なんで赤の他人にこんなこと言われなきゃいかんのよ。
恋人どうしの金のやりとりなど、当事者でしかわからない。
少なくとも当時は借金ではなかったのだから、
今になって元婚約者がなぜ返せと言うのか、
そこに不信感を抱くのは当たり前だろう。
金を返したら借金を踏み倒していた人間になってしまう、
という小室さんの言葉は至極真っ当だ。
私は非常に納得したし、そこに誠実さを見る。
にもかかわらず、岩田は小室さんに対して
「温かみや誠実さ」を感じないとし、さらに
「感謝の念を表明」することまで要求している。
余計なお世話だ。
元婚約者が被害者だという思い込み、
ゆえに自分が正義の側に立っているという思い込み、
本当にタチが悪い。

さらに、座談会で三浦瑠麗氏が「眞子さまには
”不幸になる権利”もある」と発言したことに対し、
「自分の子供に対してもこのような冷徹なことを
言えるのか」と噛みついている。これもズレまくりだ。
もちろん子供には幸せになってもらいたい、
それは多くの親が望むことだ。
しかし、だからと言って親が思い描く幸せを
子供に押し付けてはならない。
子供を信じ、尊重し、見守る。何かにつまづいたりして泣く、
それもひっくるめてトコトン信じてあげるというのが
親の愛情というものではないか。
それを三浦さんは「不幸になる権利」と表現したに
過ぎない。岩田はそれすらも理解できていないのだ。
じつに薄っぺい感性である。

もう一つ、私がものすごい違和感を覚えるのは、
岩田が「眞子さんは一般人にはなり得ない」と述べている点だ。
理由は「将来の天皇の実姉」だから。
ちなみに「国民統合の象徴」の実姉、などと、
似たような表現を記事の中で4回も繰り返している。
天皇に何かトラブルがあってはならない、
だから天皇の姉も何かトラブルがあってはならない。
その自覚が眞子さんにないから嘆かわしいと言っているのだ。
だけど女性皇族は結婚したら民間人。
つねに将来の天皇の実姉としてふるまえなどと
誰が強制できるだろう。
天皇陛下は天皇陛下、眞子さんは眞子さん、
それで話は終わりのはずだ。
彼女の主体性を1ミリたりとも認めない、尊重しない、
これが本当に皇室への敬愛なのか、ちょっと考えれば
わかりそうなものだけど。


岩田は締めくくりの段でこう述べている。
今回の結婚を冷静に分析すると、奇妙で深刻な
「ねじれ」が生じていることがわかる。
皇室との紐帯を感じない人々が結婚を祝福し、
皇室を強く思う人々が結婚に反対する。

ちーがーうーだーろー。
皇族を信じ、見守っていこうとする人々が結婚を祝福し、
皇族より自分の判断が正しいと思いあがった人々が
結婚に反対しているのだ。
分断を眞子さんのせいにするな。
奇妙で深刻な「ねじれ」など存在しない。

(第二弾につづく)
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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