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小林よしのり
2022.6.30 08:10

井上正康氏は医者として信用できるが、政治のことはダメだ。

昨日は水道橋博士との対談で、わしのコロナの主張が、
「参政党」と同じと何度も何度も揶揄された。
参政党も井上正康氏からの影響を受けているから、
同じことを言っているのだろう。
だが参政党は男系固執だからダメだと、明確に
言っておいた。

そもそも若者はこの10年間、新自由主義の安倍政権・
自民党に票を入れ続けたわけで、その結果が「失われた
30年」になっている。
もう失われた20年は古い。
実質賃金が上がらないのなら、「失われた30年」だろう。
だがそれを若者は支持するのだ。

今回の参院選も、若者は「権威主義」だから、自民党や、
それより右の維新の党に入れるはずだ。
それが分かっているから次から次に、新たな「右派政党」
が現れる。

参政党もその一つで、「男系主義」の政党だから、絶対に
票を入れてはならない。
これに井上正康氏が関わったために、井上氏の信用性が
揺らいで来ている。
非常にマズいが、どうしようもない。

昨日も井上氏から動画が送られてきた。
幸福の党の候補者が、中国は尖閣諸島で日本と衝突を
起こして、台湾の国民党と国共合作で、日本と対決
などという陰謀論を得意げに語っている。

井上氏はわしが『台湾論』を台湾で発売して、政界を
揺るがすベストセラーになったこと、李登輝元総統と
懇意にしていたことなど知らないだろう。
台湾人アイデンティティーを作る一役をわしが担った
ことを知るまい。
台湾は中国と国共合作をして、日本と対立してまで、
尖閣諸島を取ろうなどという野心は持たない!

馬鹿馬鹿しい陰謀論を信じてしまっているが、井上氏は
医者としてなら信用できるが、政治のことは言わぬほう
がいい。
井上氏の信用性が損なわれることは、今までのコロナ・
インフォデミックと戦ってきた多くの人たちの努力を
無駄にしてしまう恐れがある。
分かっているのだろうか?

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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