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笹幸恵
2022.8.13 14:52皇統問題

男系固執派の論破祭り【1】竹田恒泰、歴史を語る資格ナシ

8月7日放送の「そこまで言って委員会NP」、
男系固執派の論破祭り、私も参戦します。

カレーせんべい氏の文字起こしが本当に助かる。
男系固執派のコメントは最初から最後まで
ツッコミどころ満載だが、
まず冒頭の竹田恒泰の発言から見ていこう。


皇室は現在の天皇陛下が126代。
考古学者達が認めるところで言うと
2000年ぐらいは続いているだろうと。
2000年間、歴代天皇の男系の血筋を引かない方が
天皇に即位した事例は一例も無いんですね。
女性天皇はいらっしゃいますけど、
天皇の娘さんか、1代限りという形で。
そういう男系継承というものを
「今後も続けていく」のか「ヤメチマウ!」のか、
というこの2つの選択なわけです。


全く違う。
竹田は歴史学における基本的なモノの見方を全く知らない。

「男系の血筋を引かない方が天皇に即位した事例は一例もない」
「だから、男系継承が伝統」
「それを続けていくのか、やめるのか」

これが竹田の論理なのだが、
そもそも「事例が一例もない」ことと、
「男系継承が伝統」は、イコールにはならない。
系図を見て、無理矢理に男系を辿っていくことは
できるかもしれないが、
だからといって、歴代天皇が「男系継承が最重要だと
と考えていた」とするのは飛躍し過ぎなのだ。
自分に都合のいいよう
結果論的に導き出した解釈に過ぎない。

それは、この言葉にもよく表れている。

女性天皇はいらっしゃいますけど、
天皇の娘さんか、1代限りという形で。

「女性天皇は中継ぎ」という、
ひと昔前の学説を完全に鵜呑みにして、
まるで取るに足らない存在であるかのように
思っていることがよくわかる。

しかし6〜8世紀、男帝と女帝の割合は半々。
それぞれ時代背景も、即位の理由も事情も異なる。
異なるのになぜ、この時代に女帝が半分もいたのか。
答えはひとつしかない。
古代は男も女も関係なくトップに立つことができる
「双系社会だったから」だ。


歴史を見る際に必要なのは、「思い込み」を捨て、
虚心坦懐に文献に当たり、当時の価値基準を慎重に探る姿勢だ。
竹田にはそれが全くない。
ゆえに、歴史を語る資格がない。


その上、さらに思い込みを炸裂させているからタチが悪い。

2000年間一つの王朝が続いてきたというのは、
これは男系継承してきたからなんですよ。
もし、最初に生まれた子が女の子でした、と言って
女帝に立てますよね。
で、結婚相手は徳川家とか、それこそ北条氏とか、
政治の為政者がですね、自分の息子を女性天皇のダンナにしますよね?
で、生まれてきたのが女の子だったら、
またもう一人の息子を女性天皇のダンナにしますよね?
そしたら、徳川家と天皇本家って血統上の違いがなくなるんですね。
そしたら、もうどこが中心かがなくなっちゃうんですよね。

このセリフは、ごくごく常識的な判断力を持っている人なら、
即座に「おかしい」とわかるはずだ。
政治の為政者が、統治権力を持つ天皇家とつながりを持とうと
せっせと婚姻関係を結ぶ。
古代にもあった。蘇我氏然り、藤原氏然り。
歴代の男性天皇に自分の娘をせっせと送り込んだ。

要するに男だろうが、女だろうが、
竹田の言う「中心がなくなっちゃう」リスクはあるのだ。
女だけにそのリスクがあるとするのは、
「女には主体性がない」「男の思いどおりになる」という
竹田の思い込みに過ぎない。

もっと言えば、古代は、男も女も関係なく、
天皇による統治を続けるために奔走したり策謀したりした。
皇位の継承も「男か女か」ではなく、
「誰が群臣たちを統治できるか」が重要だった。
したがって、「男系継承したから王朝が続いた」などと
言い切れる素地はどこにもない。
まったくの的外れとしか言いようがない。


竹田の言説に納得する人は、
相当に頭が悪い人か、勉強していない人だろう。
ほんの少し自分で調べてみたら、
竹田がいかにデタラメか、よくわかるよ。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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