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高森明勅
2022.9.14 08:00皇統問題

英国「女系」新国王が即位されても王位の正統性に揺るぎなし

去る9月8日、日本の皇室とも縁が深かった
英国王室のエリザベス女王が崩御(ほうぎょ)され、
同国で久しぶりに(ヴィクトリア女王の後に即位した
エドワード7世〔在位期間は1901年~1910年〕以来、
この時は男系によりハノーヴァー朝から
ザクセン=コーブルク=ゴータ朝に交替)
「女系」の君主が即位された。

新国王・チャールズ3世だ。

果たして王朝が交替し、それによって王位の正統性が失われ、
国民も分断されて、英国は英国ではなくなってしまうのか、どうか。
…と言うと、「女系による継承ぐらいで何を大げさなことを言っているのか。
頭は大丈夫か」と感じる人がほとんどだろう。
それが健全な反応だ。

明治の皇室典範で「男系男子」限定という
新しい法的ルールを採用した際に、具体的な参考材料としたのは
西洋王室の在り方、特に英国での王朝交替の実例だった
(井上毅〔こわし〕「謹具意見」、同文書を収める
伊藤博文編『秘書類纂 帝室制度資料』上巻では
“明治廿二〔22〕年四月三日”という日付になっているが、
この時点では既に明治典範が施行された後なので、誤記だろう)。

だから今回の英国での新国王の即位も、
わが国とは無縁として視野の外に置く訳にはいかない。

チャールズ3世の場合、「女系」継承でも
これまでのウィンザー朝のまま変更なく、ご本人の資質、
人柄、実績などによる今後の評価はともかく、
女系であることに基づく「国王」という地位そのものの
権威の動揺も、当たり前ながら取り立てて認められない。

そもそも21世紀の現代に、伝統ある立憲君主国の中で
「女系」継承によって君主の地位の正統性や権威が
左右されるなどと大騒ぎする国が、一体どこにあるのだろうか。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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