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高森明勅
2023.1.30 08:00皇統問題

女性天皇は千年を越え、「男系男子」限定は近代以降百年余り

先頃、「“男系男子”二千年の伝統を守れ!」
という言説に触れて、少しビックリ。

皇位の継承資格を「男系男子」に限定するルールは、
明治の皇室典範以来のこと。

明治典範が制定されたのは、明治22年(1889年)。

だから、今から僅か百年余り前に過ぎない。
一方、女性天皇は明治典範が制定される百年ほど前まで、
普通に在位されていた(第117代・後桜町天皇、
1762年~1770年)。

その女性天皇の最初は、周知の通り推古天皇
(第33代・592年~628年)。
だから歴史上、女性天皇が即位されてきた期間は
飛鳥時代から江戸時代まで、優に千年を越える。

危機が迫る皇位継承問題については、
歪みの無い歴史的パースペクティブの中で考えたら、
誰でも容易に正解に辿り着けるはずだ。

追記

プレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」
今月の記事が1月27日に公開された。
https://president.jp/articles/-/65718

鈴木邦男氏が亡くなられた。
生前のご厚意に感謝し、ご冥福を祈り上げる。

 

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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