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高森明勅
2023.2.20 08:00皇統問題

皇位継承問題についてシンガポール人の娘婿から核心的な質問

既に記したように、シンガポールの青年と結婚した長女が
1月1日にサプライズで帰国した。
お蔭で2日の新年一般参賀の記帳には、長男・次男や孫娘たちの
他に長女も一緒だった。

ところがサプライズが更に重なる。
旦那のシンガポール青年も少し遅れて、何の前触れもなく来日してくれた。
コロナ禍以降、しばらく会えていなかったので、再会が嬉しい。

彼が滞在中のある日、娘夫婦と一緒に美味しい刺身や天麩羅などを
食べ、ショッピングにも付き合った後、ゆったりしたカフェで懇談した。
その懇談の終わり頃、わが妻が少し席を外すと、娘婿の彼は急に
話題を変えた。

思いもよらず、それまでの四方山話とまるで関係のない、
皇位継承問題について核心的な質問をぶつけてきた。

「日本には過去に女性天皇が何人もいたのに何故、現在は女性皇族が
即位できなくなったのですか?」

「日本人の多くは天皇・皇室を敬愛し、長く存続して欲しいと
願っているはずなのに、一夫一婦制のもとで長続きするはずがない、
皇位の継承資格を“男子”に限るという無理なルールを、
何故いつまでも変更しないのですか?」

問題の本質をきちんと理解している質問だ。
私は外国人の彼にも納得できるように、なるべく分かりやすく説明した。
すると、その話題の最後に私への願いを述べた。

「このテーマがお義父さんのライフワークだということは分かっています。
でもお願いがあります。
決して“命懸け”ではやらないで下さい。
安倍元首相の事件もあったし、心配しています。
他の家族はこんなことを言わないかも知れないし、言っても
お義父さんは聴かないかも知れない。
でも僕は言うし、僕の心からのお願いだから、
是非とも受け入れて欲しい。
日本に来たのでこのことを必ず伝えたかった」と。

全く予想外の言葉だったので、いささか驚いた。
これ対して私がどう答えたか。
その中身について、今は控えておこう。

1つだけはっきりしているのは、私は良い息子(=娘婿)を持っている、
という事実だ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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