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笹幸恵
2025.6.15 00:22日々の出来事

『SPA!』倉山記事〜トンデモ記事な上に、ただの宣伝。

今週はもはやそれどころではない状態だったけど、
忘れてません、『SPA!』6/17号の倉山記事。

今週号は、「軍隊ではない自衛隊」について
何か言いたいらしい。
が、書いた目的はといえば、
倉山が理事長をやっている社団法人の宣伝だ。
さんざんウンチク披露しといて、宣伝かッ。
しかも意味不明。

記事を概観(&ツッコミ)するとこんな感じ。

①護憲派、改憲派それぞれの主張
(すごい武器を持っているか否かが論点であるかの
ように書き、冒頭ですでに議論を矮小化している。
まあ、百歩譲って先を読み進めてみよう)

②現在の改憲論について
憲法典に「自衛隊」の三文字を書き込んだ後、
自衛隊が軍隊か否か論争を続けるとなると、
改憲にかけるエネルギー自体がバカバカしくないか。
(ここまでわかっているなら、9条2項になぜ言及しない?
謎すぎるが、千歩譲って先を読み進めてみよう)

③警察・消防と軍隊の違い
ウンチクウンチクウンチクウンチク・・・
(まだ続くのか〜。主題は何だ? 結論は何だ??)

④結論:宣伝
我がシンクタンクでは、憲法を変えることなく、
現行自衛隊法の改正だけで
自衛隊を戦える組織にする研究をしている。


で、その研究内容とは、
自衛隊法第88条を中心に作り直すことなのだとか。
しかし国語力に乏しい倉山の説明を読んでも
改正内容がさっぱりわからない。
第88条が気になる人は検索してみてほしいが、
長くなるのでここでは触れない。

むしろ驚くべきはココ↓

「現行自衛隊法の改正だけで
自衛隊を戦える組織にする」

「憲法改正のハードルが高いなら、
法改正を先行させればいい」




憲法なんか無視して法改正すりゃあいいってこと?
憲法との整合性はスルーか???
立憲主義を理解しているか???
そんなんで憲政史研究家(よくわからんが)と名乗っていいのか?
有事に命をかける自衛官に対して、「改憲って難しいからさ、
とりあえず戦えるようにしときゃいいでしょ」って、それ、
自衛官をあまりに舐めてないか???
え、気づかない? アタマ大丈夫???

皇統問題でもそうだが、倉山はコトの本質を
まったく理解しない(できない)。
愚かしさにため息しか出ない。
しかも自分がかしこいと思っているバカだから、
思い込みだけでどんどん暴走する。
行き着く先は、大言壮語しつつ
小手先の対症療法(あるいは無策)がオチ。

ついでに言っておく。
中盤で、大学教員時代の学生への問いかけが
思い出として綴られている。

自衛官・警察官・消防官のうち、仲間はずれは?
みんな間違うけど、正解は自衛官。
なぜなら、警察と消防はポジティブリストだが、
「自衛官だけが禁止されたこと以外はやっても良い
ネガティブリスト」 だから。

違う。
自衛官もポジティブリスト。警察官職務執行法が準用される。
倉山は一般的な軍隊と自衛官の区別もついていない。

編集部はチェックしてないの?
雑誌の信頼性に関わるよ。
こんなものカネ払って読ませるな。

こういう人が皇統問題を引っかき回して
いたずらに引き延ばし、
あろうことか国民民主党の玉木まで
その主張を丸パクリしているのだから
バカにつける薬なし、としか言いようがない。
ええかげんにせえ💢

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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