ゴー宣ネット道場

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高森明勅
2010.11.19 16:25

白鵬の敗因

破竹の勢いで連勝を続けていた横綱の白鵬が負けた。

63連勝でストップ。

史上2位だった江戸時代の谷風に並んだものの、双葉山の69連勝には及ばなかった。

その報に接した時、即座に「勝ちに行ったな」と思った。

それが敗因だろう、と。

と言うのも、白鵬自身が勝利の秘訣を問われて「勝つ相撲をとらないこと」と答えていたからだ。

「決して無理をしない。結果を求めないということなんです。…そういう風に自分に言い聞かせないと、やってやれないんだよね。固くなっちゃうから」と。

案の定、後のインタビューで「勝ちに行ってしまった」と答えていた。

でも、すぐそのように反省できるところが、やっぱり凄い。

例の天皇賜杯なき優勝で涙を流した件について、白鵬はこう語っていた。

「天皇賜杯をなくすとかさ、相撲が国技でなくなっちゃいますよね。

天皇陛下はこの国のシンボルであり、一番のトップ。

なくてはならないお方だと思います。

国技というのは、文化と伝統そのものでしょう。

…天皇賜杯を抱いて終わる。

それが相撲ってことじゃないですか。

相撲がなくなれば、この国は終わると思ってるから」

これだけの覚悟を持った力士が現在、他にどれくらいいるか。

白鵬には今回の負けをバネに更に成長し、今度こそ双葉山の記録を塗り替えて欲しい。

なお白鵬が敗れた15日は、ちょうどモンゴルのエルベグドルジ大統領が来日していた。

大統領は、自分の来日で白鵬が勝利に拘ってしまったのではないか、と気遣ったようだ。

これもいい話ではないか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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