ゴー宣ネット道場

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切通理作
2011.1.27 08:16

あなたは弱者ですか、強者ですか?

         第10回ゴー宣道場では「あけましておめでとうございます」モードだったのに、月刊WiLL 最新号を見るともう「3」月号!
 もはや新春ではなく「春」に向けて心を引き締め、冬を乗り切っていかねばと思いを新たにしました。

  3月号の『本家ゴーマニズム宣言』の前半で書かれているのは「ノイジィ・マイノリティ」(騒がしい少数者)の問題でしたね。騒ぎ立てる少数者にみんな迷惑しながらも、勇気を持って指摘出来ないという。

  実は、いつもやらせていただいている動画『せつないかもしれない』の第17回へのニコ動書き込みの一部に同じものを感じていた矢先でした。
    https://www.gosen-dojo.com/?page_id=31

  現在UPされている第17回は、ゴー宣道場で僕が基調講演させていただいた『私から公への経路』を聞いた方にはおわかりのように、あの時のテーマを引き継ぐものです。

  小林さんの『修身論』を読んで、電車のホームから落ちた人を助けることが出来るのか?という問いに「自分には出来ない」としじみさんが言ったということを、あの基調講演では触れました。

  でもしじみさんは、体調を崩して医師から「激しい運動をすれば心臓が止まるかも」と言われた時にさえ、映画の撮影現場に行こうとするという面を持つ女優さんです。

 たとえば僕なんかよりずっと「侍」の血を引いていると思うのです。

 そこで今回は、しじみさんとともに『修身論』に書いてあったことを自分たちの身に引きつけてどの位考えられるかを、やってみようという話になったのです。

 彼女のように「私」しか考えていないと言い切り、実際そのような面もある人間の中にある「公」。

 あの番組の発言は、思い付きでしているのではなく、事前にテーマについてしじみさんと打合せしています。 

 今回も事前に『修身論』の中にあったテーマを一つ一つしじみさんにぶつけ、反応があったところ、展開できそうなところをフリップにして本番に臨みました。

 普通だったら、あまり人前で言われたくないようなところにまで踏みこんでも、このテーマが展開できるならと同意してくれた結果があの番組です。

 その意気に応じて、後半では『修身論』著者である小林よしのりさんも、「ゲスト」として登場下さっています。

 小林さんが、しじみさんの『修身論』に対する態度をどう感じたのかは後篇を楽しみにしていただくとして、僕が意外かつ落胆したのは、しじみさんの発言量が相対的に少ないということだけをもって、全体の進行を否定するような「ノイジィ・マイノリティ」の書き込みがあったことです。

 「ほとんどが切通の自己主張」という悪意的な指摘に関しては、僕に対することだからまだ我慢できる(しかし「ゴーマニズム」をホントに傲慢な自己主張だと思い込んでいる人がいるということに対して小林さんが失望する気持ちがよく解りました)としても、「しじみ全然しゃべってねええええええ」「今回も相槌役でした」などという書き込みが繰り返されるのに至っては、しじみさんのファンの中でもごく一部の心ない人たちだとは思いますが、ホントにがっかりです。

 しじみさんの「修身」はそのたたずまいや、いかにも強くふるまわない恥じらいに、既に表われている。態度で雄弁に語っている……と小林さんは言っていました。
 
 しじみさんのファンなら、彼女のそういう空気を掴んで魅了されているはずではありませんか。

 じゃあ、たくさん喋ればよかったのか。さも雄弁に、自分の修身はこうだと、出来もしないことまで言ってしまうことが「強さ」なのか。しじみさんらしさなのか。

 そのひとつの答えが、後半の第18回に出てきます。

 「あなたには、それが読みとれますか? この前半に、既に判断材料は出されていますよ」と今回、あえて皆さんに問うてみたいです。

 ……そうつぶやいていたら、果敢にも、そんな「ノイジィ・マイノリティ」の書き込みに対して反論する意見がニコ動ユーザーによって書き込まれるようになりました。

 やはり見てくれる人は見てくれているのだなと、嬉しくなりました。

   また後篇がUPされた時に、このテーマについては引き継いで書かせていただくつもりです。

  本当の「弱者」「強者」は誰なのか?
  我々一人ひとりが自分に問うところまで、とりあえず行き着きたいと思います。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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