ゴー宣ネット道場

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切通理作
2011.6.18 05:10

自分を乗り越え自分を作る

ゴー宣ネット道場で渡部陽一さんがやってらっしゃる
動画『戦場からこんにちは』 の第25回
「戦場カメラマン・東日本大震災被災地を行く」で、
いつものパートナーである
女子大生改め塾講師の新井美紀さんが
震災および被災地に対して
「途方に暮れてしまって自分では
どう感じていいかわかんない」と
おっしゃっていましたが、
非常に正直な感想だと思います。

たとえば当たり一面瓦礫の積もった写真を見ても、
なにをどう感想を言っていいのか、
どうくみ取っていけばいいのか、
途方に暮れてしまうのは
仕方がないのではないでしょうか。

渡部さんが、写真を撮った時の状況や
その背景にあるものを説明してくれるからこそ、
そこで生きる人々のことが伝わる。

それでも、イラクやアフガンで撮った写真をもとに
進行していた時から、新井さんの、
一枚の写真から情報を読み取る能力が
非常に高いということは、
これまで『戦場からこんにちは』を見てきた人なら
わかると思います。

僕が「この写真は何だと思いますか?」
と渡部さんから問われたら、
新井さんの十分の一も答えられないでしょう。

その新井さんはいま塾で講師をしていて、
学生の受験勉強のお手伝いをされているそう。

道場で若者の就職難について扱った回でも、
新井さんがその代表選手として小林よしのりさんの質問に
答えていたのを、覚えている人も多いと思います。

その新井さんがいまでは自らのお仕事を見つけておられる
のは、本当によかったと思いました。

新井さんは番組内で渡部さんから塾講師として受験勉強のコツを問われ、
「暗誦の大切さ」を挙げていました。

個人の努力というのは主観に左右されやすいので、
適当なところで自足してしまいがちですが、
乗り越えるためにはひたすら暗誦し、
それをやるだけやればあとは結果も受け入れられるのではないかと。

新井さんの話を聞いて、
受験勉強というのも、
実は人格的な偏りに左右されるのだなと思いました。

先ほども申した通り、
僕は一枚の写真からとか、
数字や地形などから直接それの
意味するものを読み取る力が
足りません。

これは「向き不向き」などという言葉では
済ませたくない、
精進していきたいところですね。

震災に関しても、
僕の場合、
小林さんの漫画や、渡部さんの写真に付されたトーク、
小林さんの被災地での運転手をした後現地に残って取材を続けた田上君、
田上君と一時期同行して被災地に長期滞在した木蘭さん
たちの言葉や文章に接して、
その文脈からイメージを持つことが出来ています。

すでに文脈を作ってくれてる人から
受け取っているわけです。

それがなかったら、
思考停止に陥っていたでしょう。

写真、言葉、たくさんの方法で
被災地で見たものを届けていくことが大切だと
渡部さんはおっしゃっていました。

僕は被災地の外にいる人間として、
思考停止を乗り越えていく方法を
これからも模索していきたいと思います。

自分で、自分を狭く限定しないように
現実を把握する方法をいくつも持っていたいですね。
見ていたつもりで見てなかったことって、
たくさんあると思いますので。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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