ゴー宣ネット道場

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切通理作
2011.7.20 07:48

草食男子と「坂の上の雲」

  第16回ゴー宣道場 『なでしこ VS 日本男児、どっちが強い?』を前に、いろいろ考えています。

  ちょっと前から「草食系男子」なんて言葉が使われ、女性がダメな男子を叱る、というのはもはや当たり前のようになってしまっています。
  しかし、それは本当なのか?

  たしかに学生と接していると、男の子でも彼女を作るのはおろかAVも見たことがないという男子が少なくなく、淡白だなと思うこともあります。
  「もっと野獣になれよ」などと、自分だってモテないヘタレ男だったくせに、そんなことも忘れて思ってしまう自分がいます。

  しかし、僕の友人である写真家・丸田祥三が、最近以下のインタビューに応えて、非常に興味深いことを言っています。
  URLを貼りますので、
  http://vobo.jp/maruta.html
  興味のある方は直接読んでほしいですが、
  要点を言いますと、

  このインタビューはもともと、WEBマガジン編集部側の「草食系男子を叱る」という文脈で行われているのですが、丸田氏は、その前提にはっきりと「否」を突きつけているのです。

  丸田氏によれば、たとえば露出を極限まで求める直接的な性欲のエスカレートは、高度経済成長からバブルまでを支えたある限定された世代の感覚であり、現代の若者はもうそんなものは求めてないというのです。

  今の若い子って親がバブル世代だったりするんですよ。自分達の親が「高級外車に乗りたい」とか、「一回、外車に乗ったら日本車乗れないよなぁ」みたいな下らないことにお金を使って、欲望のための欲望に振り回されているのを目の当たりにして育ってる。きちんと学習してるんですよね。そこを嫌な意味で「草食系」だとか「ゆとり」だとか言って括るのは、全く当たってない。彼らは物凄く思慮深いですよ。(VOBO 丸田祥三インタビューより)

  これって、小林さんの「坂の上の雲を目指す時代は終わった」という言葉と、僕には照応して感じられます。
   
  そして丸田氏は言います。
  いまの「一見男女関係に進んでいるように見える女子」は、実はもともとは男の欲望に応えるためにバブル世代に洗脳されているうちに、それが自分の意思であるかのように思い込み異常発達したモンスターのような存在であり、そんな女子をさりげなくかわし、「据え膳食わぬは男の恥」ではなく「据え膳食うのは男の恥」とばかり、直接的な性欲にだけ解消しない雅なエロスを味わいながら、地に足のついた関係に誘導していくのが、これからの男子の生き方である、と。

  すべての言い分をその通りだと思うわけではありませんが、すべてが世迷言とも思えないのです。

  ここにもまた、近代というものがブチ当たった限界と、それを乗り越えようとする生き方が芽生えていることが見て取れるのではないでしょうか。
 
  これからの男女のありようについて、次の道場に向けていろいろ考えていきたいと僕も思います。
  皆さんも、「いや、俺はこうだと思う」「私は違うと思う」「やはりヘタレな男子に言ってやりたい」「いや、女子にこそ言ってやりたい」ということがあったら、ぜひ今度の道場に来てください。
  

  一緒に語らいましょう。
  ここにも日本の未来がある、かも!?

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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