ゴー宣ネット道場

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高森明勅
2012.11.13 15:53

政治家か、漫画家か

今月のゴー宣道場の冒頭、小林よしのりさんは、
さる有力な政治家から次回総選挙への
立候補を求められていることを、告白された。

参加者は皆、驚いたに違いない。

しかも、それに応じる可能性もゼロではない
口振りに一層、驚きを深めた人もいただろう。

小林さんの日本の現状への危機感は、
それほど深かったのか、と。

道場のアンケートでは、私が目を通した限り、
小林さんの政界入りに無条件で賛成、という人はいなかったようだ。

小林さんがどう判断されようと、
変わらずに応援します、といった反応が多かった。

いたって健全な反応だ。

私の感想は、小林さんがどう決断されるにせよ、
漫画家と政治家の二足のわらじは、
恐らく無理だろう、ということ。

小林ファンの中には、
小林さんが政治家をやりながら、
そこでの体験をリアルに漫画で発表すれば、
政治の世界に新しい風を吹き込み、
漫画としても画期的な作品になるのでは、
と期待する人がいるかも知れない。

だが政治とは、そんなに甘いものだろうか。

小林さんがどんなに天才でも、
もし政治家になるのなら、政治の世界で全力を尽くし、
燃え尽きる覚悟でなくては、
小林さんご自身が望んでおられる成果を得ることは、
難しいのではないか。

あれも、これもは、通用しない。

まさに「二兎を追う者は一兎をも得ず」だろう。

政治家の道を選ぶなら、少なくともそう肚を決めて、
政治に挑戦するのでなければ、
やがて後悔することになるのではないか。

無前提に、政治家と漫画家のどちらがいいか、
という話ではない。

稀有な漫画家、小林よしのりが、
漫画を捨てて政治の世界に百パーセント打ち込むのか、
それとも漫画家として踏ん張りながら、
政治への影響力を拡大してゆく道を探るのか。

そのことが問われているのだろう。

小林さんの決断に注目したい。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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