ゴー宣ネット道場

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笹幸恵
2012.11.28 09:48

タカオLOVE

○○チルドレンとか○○ガールズとか、

一体何なんだ、けしからん。

政治をバカにしている。

 

その言葉に反対を唱える人はあんまりいない。

むしろ皆が「そうだそうだ」と

ワケ知り顔でウンチクをたれる。

でもチルドレンもガールズも消えないし、

最近ではまた新たな呼び名ができたらしい。

週刊誌に載っていた。

忘れちゃったけど。

 

私も、口では「けしからん」と言っていても、

○○ガールズが東京○区で激戦、などという

テレビ番組を見ると、つい目をやってしまう。

地味なオッサンより、そりゃ見栄えがするし。

これは、ある種のミーハー根性でもあるし、

同時に、まだまだ当事者意識を

持つことができていない証拠なのだ。

 

 

ところで、憲政記念館で特別展をやっている。

「昭和、その動乱の時代

  ー議会政治の危機から再生へー」


普通選挙の実施から、軍部の台頭、

そして終戦まで、貴重な資料が展示されている。

打ち合わせの帰りに立ち寄ってみたら、

思いのほか楽しかったので、皆さんにもおススメ。

 

かなり初期から、与野党の足の引っ張り合いがあり、

政策面での人気取りがあり、そんなもんは

今とちっとも変わらない。

なるほど政党政治である以上、これは常について

まわる業なのだなあと思うことしきり。

 

そして目を引いたのが、「齋藤隆夫」のブース。

「反軍演説」で有名な人らしいけど、

私は知りませんでした。

明治45年、弁護士から政界入り。

二・二六事件では軍部の政治関与を批判、

国家総動員法の制定にも真正面から反対意見を述べた。

そして昭和15年、支那事変に関する質問演説をして、

議員を除名されてしまうという経歴の持ち主。

この質問演説が「反軍演説」と言われているのだけど、

内容をよくよく見ると、決して「反軍」なんかではない。

むしろ現実に即して、非常に鋭い分析をしつつ、

支那事変をどう処理するのか、政府に迫っている内容なのだ。

事変が勃発したことは「運命だから仕方ない」としつつも、

処理方針を示した「近衛声明」に対して、要するに

「きれいごと」だと言っている。

 

 

「その言はまことに壮大である。

その理想は高遠であります。

しかしながらかくのごとき高遠なる理想が、

過去現在及び将来国家競争の実際と一致するもので

あるか否やということについては、

退いて考えねばならぬのであります。

いやしくも国家の運命を担うて立つところの

実際政治家たる者は、ただ徒に理想に囚わるる

ことなく、国家競争の現実に即して国策を立つるに

あらざれば、国家の将来を誤ることがあるのであります。

現実に即せざるところの国策は真の国策にあらずして、

一種の空想であります」

 

これはまったく3年前の民主党に聞かせてやりたい言葉。

そしてこうも言っています。

 

「二年有半の間において三たび内閣が辞職をする。

政局の安定すら得られない。こういうことでどうして

この国難に当ることが出来るのであるか。畢竟するに

政府の首脳部に責任観念が掛けている。身をもって国に

尽すところの熱力が足らないからであります。(中略)

しかもその器にあらざる者を拾い集めて弱体内閣を組織する。

国民的支持を欠いているから、何ごとにつけても

事自己の所信を断行するところの決心もなければ勇気もない。

姑息倫安、一日を弥縫するところの政治をやる。

失敗するのは当たり前であります。

こういうことを繰り返している間において、

事変はますます進んで来る。

内外の情勢はいよいよ逼迫してくる。

これが現時の状態であるのではありませぬか」

 

政府とか内閣とか、事変といった言葉に、

いま話題になっている様々な言葉を入れ替えてみれば、

そのまま当てはまりはしないでしょうか。

民主党とか自民党とか、第三極とか、

TPPとか原発推進派とかネトウヨとかetc.

 

 

これって、まさに政治家が心して聞かねば

ならない「魂の声」なんじゃないでしょうか。

そして同時に、私たち国民にも、選ぶ側としての

自覚を促しているように聞こえてくる。

 

それにしても齋藤隆夫。

なんと素晴らしい。

背中に一本筋が通っている。

全文を読んでみると、

自分の功名心のためでも、

党利党略のためでもなく、

国を想い、国民を想い、それでいて

冷静に現状分析を行なっている。

 

私は一気にポーっとなってしまった。

 

あれ、待てよ。

前回の道場で「政治家をアイドルにしては

ならない」と言われたばかりではないか。

 

もはや私は「齋藤隆夫」をアイドル化しちゃってる。

 

 

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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