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高森明勅
2012.12.18 18:40

自民「大勝」なのか?

自民党は今回の衆議院選挙で、
単独で半数を超える294議席を獲得した。

政権で連立を組む公明党は31議席。

両党の議席を併せると、
参議院で否決されても衆議院で再議決出来る3分の2を超える。

自民党としては、ひとまず磐石の態勢を築いたと言える。

しかし今回の結果を、自民党「大勝」と手放しで評価出来るのか。

まず、政党への支持がストレートに現れる比例区では、
議席数が57。

政権から滑り落ちた前回から、
わずかに2議席上積みしたに過ぎない。

比例得票数に至っては、
前回より約220万票も減らした(1881万票→1662万票)。

とても、国民の支持が自民党に集中した、
と言える状態ではない。

では、小選挙区の得票数はどうか。

こちらも前回に比べて165万票減った。

どうして、こんなに票を減らした自民党が、
多くの議席を獲得出来たのか。

全体の投票率が落ち込んだためだ。

戦後最低の59、32%(比例区59、31%)。

自民党は、この空前の投票率の低さに助けられた格好だ。

そうした中でも、第3極は着実に議席を増やした。

小沢新党と見られた日本未来の党だけは、
議席を大幅に減らしたものの、
日本維新の会もみんなの党も、揃って勢力を拡大した。

これも、自民党への国民の根深い不信感を示す事実だろう。

新しい政界地図が定まっても、
我が国が直面している課題は、
当然ながら何も変わっていない。

脱原発に向けて、事態を動かしていけるのか。

TPPへの参加をどう食い止めるか。

海洋への野心を強める中国の脅威にいかに対処するか。

皇室存続の為の現実的な方策を早急に打ち出せるか、
どうか。

自公で衆議院の3分の2を超える議席を得ただけに、
新たに発足する第2次安倍政権の責任は重い。

さしあたり安倍首相が、
来年4月の靖国神社の春の大祭に、
きちんと参拝するか、注視したい。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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