ゴー宣ネット道場

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高森明勅
2013.2.3 10:03

峯岸みなみの丸刈りは「覚悟なき者への鉄槌」

AKB48の峯岸みなみさんの丸刈り謝罪動画を拝見し、
軽い衝撃を覚えた。

AKB48というアイドルグループに残りたいために、
ここまでするのか。

ここまで出来るのか。

という驚きだ。

今の時代に、年頃の娘さんが丸刈りにするなんて、
半端な覚悟で出来ることではあるまい。

その上、丸刈り姿で謝罪した動画をネットに晒すなど。

しかも、彼女は昨日まで可愛い、
可愛いと言われてちやほやされてきたアイドルだ
(本当に可愛いかどうか、私の判断はここでは差し控えるが)。

これが、他から強制されたことなら、
「そこまでやらせるのか」、人権侵害だ、
などといくらでも批判出来るだろう。

だが、そうではない。

本人の自発的な意志でやったことだ。

それは、ほとんど崇高なまでの
「自己犠牲的」エゴイズムの発露だろう。

ここまでやられたら、いくら恋愛禁止ルール違反でも、
問答無用で追放処分という話にはなりにくい。

峯岸さんは捨て身で、その結果を取りに行ったのだ。

そして、研究生に降格になったものの
(そんな処分など彼女にはものの数ではあるまい)、
見事その結果を掴み取った。

天晴れと言う以外、言葉が見つからない。

だが、彼女の脇目も振らない、果敢苛烈な「行動」に
震え上がった者たちがいた。

人生の苛酷さから、出来るだけ目を反らそうとしてきた者たちだ。

彼らは心底、恐ろしかったに違いない。

だから、懸命に批判した。

「丸刈りはやり過ぎだ」
「ここまで追い込んだ運営サイドが悪い」
「動画を挙げて晒し者にしたのは残酷だ」
「あれもエンターテイメントに過ぎない」等々。

こうした批判は全て、
峯岸さんの行動に実存の根底を揺るがされた
恐怖を紛らわすための、「覚悟なき者たち」の悲鳴に他ならない。

「やり過ぎ」るくらいやらなくて、
どうして目指す至難な結果を手にすることが出来ようか。

「追い込んだ」云々は、峯岸さんに同情しているようで、
じつは彼女に対し、その悲壮な主体的決断を
頭から否定してかかっている、許しがたい侮辱だ。

動画での謝罪も、彼女自身が熱望したもので、
丸刈りにまでしてきた彼女の願いを、
大人の都合で握り潰すなんてことが一体、許されるのか。

若い女性の丸刈りを「エンターテイメント」で切り捨てられると、
もし本気で考えているのなら、その底抜けの鈍感さは、
もはや酷薄の域に達していると言うべきだろう。

峯岸さんの丸刈りは、「覚悟なき者たち」への
情け容赦のない鉄槌だった
(それは交際相手の男性にも、
無慈悲に振り下ろされた可能性が高いだろう)。

久し振りに、純度百パーセントの利己的な行動に、
爽やかな気分を味わった。

ここまで自分を賭けることが出来るものを持っている峯岸さんは、
幸せだ。

AKB48というグループも、ただ者ではないな。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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