ゴー宣DOJO

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切通理作
2013.6.11 03:48

しばき隊とネトウヨは「どっちもどっち」なのか?

 ※以下の内容について、しばき隊の野間易通氏より「しばき隊は完全なメンバーシップのある集団で、私はすべてのしばき隊のメンバーの戸籍名と連絡先電話番号を把握しております。『自称』だけの人はしばき隊ではありません。」「しばき隊は同じ日の夕方、新大久保でイベント http://iwj.co.jp/wj/open/archives/83985 をやっていて、関係者の多くはそちらにいました。また、一部は銀座でレイシストデモにカウンター行動をしていました。私の知る限り、しばき隊メンバーでゴー宣道場に行った人はいません」と、ツイッター通して指摘がありました。文中に出てくる人間は「しばき隊のなりすまし」である可能性もありますので、その点留意してお読みください。

 僕は「しばき隊」の人達に、どちらかというとシンパシーを持っていました。

 人前での怒号の応酬をたまたま耳にした人にとっては、いい印象を持たないということが仮にあったとしても、少なくとも、街中で平然と差別を口にする「レイシスト」と彼らを「どっちもどっち」とみなすのは、同じ日本人として、あまりにも傍観者的に過ぎるのではないかと思っていたのです。

 

 ですから新聞に「デモを見たけど、ネトウヨもしばき隊もどっちもどっちだった」というような投書が載っているのを見た時、新聞社自体が立場をはっきりさせるのを恐れ、中立的にふるまっているのかと危惧しました。

 

 この間の日曜日のゴー宣道場で、勇気を持って挙手した在日韓国人の若者が、日本社会がレイシストを許容している部分があるのではないかと言っていたのも、あながち被害者意識とも言えないと思いました。我々日本人が、レイシスト的なものとははっきり立場を訣たない限り。

 

 ただ、そうは言っても、僕は実際にデモの現場に居合わせたことがありません。しばき隊の現状を当事者にも発言してもらいたい。この間の日曜日の道場では、自称「しばき隊」の人が参加していることが事前にわかっており、その人はぜひ論議を戦わせたいと参加希望の紙に書いてあったので、ぜひ意見を聞いてみたいと思いました。

 

 ところが、小林さんの呼びかけにも、手を上げる人がなく、シーンとしています。事情でその人は来れなくなったのかと思いましたが、道場が終わった後のアンケートを見たら、彼の書いたものがちゃんとありました。

 

 そこには、この日の道場で話されていたことなどは少しも新しいことがなく、つまらなかったと書いてあり、「小林よしのりもしばきの対象」と書いてありました。

 

 正直、ガックリきました。彼は道場の議論の中身に立ち入ろうとせず、他ならぬ自分に問いかけられたことに答えることもなく、ただ高見に立ち、あまつさえ「お前もしばきの対象」と脅迫めいた文言まで付け加える。もちろん、なぜ小林さんまでもがしばきの対象になるのかもまったく書いてありません。

 

 要するに、議論が苦手か、初めから興味がないのでしょう。そして一人で自分の意見を発言することも出来ない。

 

 数を頼んで、罵声を浴びせかけることしか出来ないのだとしたら、ネトウヨといったい何が違うというのでしょう。否、まったくの裏返しに過ぎないのではありませんか。

 

 「どっちもどっち」という、あの新聞の投書は、現状のありのままを見た、正しい認識だったのかもしれないと、私は一瞬思いました。

 

 しかしもちろん、こんな人は一例にすぎず、あるいは例外的なのかもしれません。

 しばき隊にはしばき隊の言い分があるという人は、ぜひ教えて下さい。

 ニコニコ生放送で第一部を見ていた人がもしいたら、意見を知りたいです。

 

 あるいは、この呼びかけも、自分たちに都合の悪い逆宣伝一般と同列にみなし、遠くから石を投げるだけでしょうか?

※もし、上記文中に書かれた方が「俺はなりすましじゃない。本物のしばき隊だ!」と主張される場合、ツイッターの僕のアカウントにご連絡ください。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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テーマ: ゴー宣DOJO in名古屋「人権カルトと日本人論」

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