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高森明勅
2013.7.7 13:16

長谷川三千子氏の新著『神やぶれたまはず』の出現

長谷川三千子先生から
新著『神やぶれたまはず―昭和二十年八月十五日正午』(中央公論新社)をご恵送頂いた。

一気に読了。

このような書物が書かれたという事実を、
日本の神々に感謝したい気持ちになった。

昭和20年8月15日正午という、
我が国史上の一瞬が持った最も深い意味を、見事に解き明かしている。

日本人が長く見失い、忘れ去った、
あの奇蹟のような一瞬の深層の意味を、
精緻に誠実に追究し、遂に恐ろしい、驚くべき光景を甦らせた。

折口信夫、橋川文三、桶谷秀昭、太宰治、伊東静男、磯田光一、
吉本隆明、三島由紀夫らの言説を丹念に検証した上で、
旧約聖書に出てくる「イサク奉献」の物語を巡る
デリダやキルケゴールの解読の“盲点”を抉り出し、こう結論される。

「歴史上の事実として、本土決戦は行はれず、
天皇は処刑されなかつた。
しかし、
昭和二十年八月のあの一瞬ーほんの一瞬ー
日本国民全員の命と天皇陛下の命とは、
あひ並んでホロコーストのたきぎの上に横たはつていたのである」と。

これは、実は最も月並みな、当たり前の結論とも言える。

しかしそれは、長谷川氏以外の誰も見出だすことが出来なかったし、
長谷川氏だからこそ、ここまでたどり着くことが出来たのだ。

勿論、この引用だけでは、
多くの人にとっては、何のことやら見当もつかないだろう。

だがこの本は、静かな気持ちで丁寧に読めば、
誰もが読み通すことが出来るはずだ。

ほんの僅かでも歴史の真実に関心を持つ、
全ての国民が終戦記念日より前に、ぜひ読んで欲しい近来の名著だ。

ほとんど「奇蹟」のような書物、と評すべきかも知れない。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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