ゴー宣ネット道場

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切通理作
2013.10.1 02:19

宮崎駿は「おくれて来た戦時下の少年」

 『風立ちぬ』映画評のみならず、先の大戦という<負け戦>体験を抱えた日本人の一人としての「宮崎駿のどうしようもない矛盾を語ろうではないか!」という小林さんの呼びかけ。

 それを受けて、私は、二年前の8月6日、当ブログに書いた記事を、以下に転載します。

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原子爆弾を天罰と捉え、
戦前の日本を全否定する風潮の中で育った宮崎駿は
「日本人ギライの日本軍大キライのおくれて来た戦時下の少年」
という複雑な存在になってしまったと書いています
(岩波書店、ロバート・ウェストール作『ブラッカムの爆撃機』解説より)。

「空想の中で、何千というB29をゲキツイした」
と子ども時代の自分を語っているのです。

宮崎駿は、ドイツ軍による空襲を受けながらも
兵士として戦場に立つことはなかった、
自分と同じ「おくれて来た戦時下の少年」であるイギリスの物故した作家・ロバート・ウェストールとの架空の対談を自作の漫画の中で行っています。

「ウェストールさんあなたは間に合えばですが爆撃機のクルーに志願しましたか?」
ウェストールは「そうしたと思います」と答えた後、すぐに問い返すのです。
「あなたは? KAMIKAZEは…」
宮崎は「そうしたと思います」と答えています。
「虚勢をはってふるえながら」と付け加えながらも。

つまり宮崎駿は、
戦争参加を徴兵によって強制された運命としてではなく、
自ら選び取っただろうと宣言しているのです。特攻も辞さずに。

それを聞いた漫画の中のウェストールは、少年の忠誠心を否定
してはいけないと言います。

ここで言う「少年の忠誠心」とは、損得を越えた「何かの役に立ちたい」
という思いのことです。

「少年達の勇気は、本来悲劇的なのです。しかしこの世界の重要な一部です」

そして、宮崎駿はこうモノローグします。
「ぼくの勇気はいつだって出口がなかっただけだ」

宮崎作品で初めて一般的にヒットしたのが
『風の谷のナウシカ』であるように、
男性原理よりも女性原理を優位に置いてきた
イメージがありながらも、
その底には、そのままでは発露されない
「少年の勇気」が存在していたのです。

宮崎駿が自ら監督する次の新作は
自伝的な内容になると伝えられています。

戦後出口のなかった「少年の勇気」が
くっきりと姿を現す日が
来るのでしょうか。

そして現代のわれわれは、
どこに出口を持っているのでしょうか。

(2011/08/06『日本「男児」に出口はあるのか』より)
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 二年前のブログで書いた「宮崎駿が自ら監督する次の新作」とは
もちろん『風立ちぬ』のことです。

 戦後日本のどうしようもない捻れの中で、
宮崎駿は「少年の忠誠心」をどのように救い出そうとしたのか。

 いまの我々の前には、一本の映画という答えがあります。
 そこから紡ぎだすことの出来る言葉が待たれているのです。


第38回ゴー宣道場
「『風立ちぬ』から現代を考える」

平成25年10月13日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

HP上の申し込みフォームからも申し込み可能です絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のHPメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。
当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。

 道場参加申し込みフォーム

引き続き、往復ハガキでの応募も受付けております絵文字:重要絵文字:記念日


入場料は、お一人1000円です。

参加ご希望の方は、

往復はがき に、『第38回参加希望』 と明記、

さらに、


1. 
氏名(同伴者がいる場合はその方の氏名と続柄・関係など)

2. 住所

3. 電話番号
4. 年齢

5. 
職業(学生の方は学校名)
6. 
募集を知った媒体
7. 
応募の理由と道場への期待

返信はがきの宛名には、ご自分の氏名・住所をご記入の上、

152-8799

東京都目黒区目黒本町1-15-16 目黒郵便局・局留め

『ゴー宣道場』代表・小林よしのり、担当・岸端


まで、お送り下さい。

応募〆切平成25年10/2(水)必着です。


当選された方にのみ
当選通知を送らせて頂きます絵文字:記念日
(往復ハガキで応募された方は返信ハガキで、ネットから応募された方は
 当選メールでの通知となります。)

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ



切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

次回の開催予定

第93回

第93回 令和2年 11/8 SUN
14:00

テーマ: 「愛子皇太子の可能性」

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