ゴー宣ネット道場

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高森明勅
2013.11.13 15:12

皇族への五輪招致ご協力要請は「政治利用」じゃない?

『文藝春秋オピニオン2014年の論点』に
八木秀次氏の一文が収められている。

タイトルは「高円宮妃久子さまのIOC総会スピーチは
『皇室の政治利用』か」。

そのポイントは以下の通り。

「ことの発端は、五輪招致を経済成長の『第4の矢』
としたい安倍晋三政権が皇室も招致に関わって頂きたいと
考えてきたこと」

「政府関係者は東京招致には久子さまのご協力が不可欠と判断した」

「直接の関与ではない形で、久子さまのご存在が東京招致を実現した」

「久子さまのスピーチは『皇室の政治利用』とは言い難い」

「鳩山由紀夫政権時の…中国の習近平副主席(当時)とのご引見を…
ごり押ししたのとは異なる」

「政府も皇室に敬意を持ち、品位を汚さないよう配慮し、
久子さまも皇族の節度を守られた」

「国家的事業に関する皇室のぎりぎりのケースの前例と
考えるべきだろう。
そうすれば、なし崩しに政治利用に道を開くことはない」ー。

しかし、この文章には肝心な
「皇室の政治利用」の概念規定が、一切ない。

何の基準も示さないまま、「言い難い」とか、
「ぎりぎり」などと言われても、残念ながら全く説得力はない。

私の作業仮説的な定義は先に示した。

改めて掲げると、こうだ。

「特定の政治主体が、自らの政治目的を達する為に、
皇室の存在を恣意的に手段とする行為」。

この定義を判定基準にして、今回のケースを考えてみるとどうか。

念のために、誤解のないよう整理しておくと、
ここで問われるべきは、高円宮妃久子殿下にIOC総会への
ご出席とスピーチなどを強硬に「要請」し、
それを実現させた行為であって、妃殿下のご行為ではない。

「利用」が問題視されているのだから当然のことながら、
くれぐれもこの点は、混同しないように注意すべきだ
(八木氏は、妃殿下のスピーチが政治利用とは「言い難い」と
主張していて、見当違いも甚だしい)。

それを前提に検討すると、まず行為の主体は「安倍晋三政権」。

具体的には下村博文文部科学大臣や杉田和博官房副長官らが粘り腰で、
宮内庁に要請を繰り返した。

まさに「特定の政治主体」による行為だった。

ではその行為の目的は?言うまでもなく、五輪の「東京招致」。

で、その招致が安倍政権の経済政策の「第4の矢」と
位置付けられるものだったことは、八木氏自身も認めている。

紛れもなく、明確な「政治目的」を持った行為だったことになる。

しかもその要請は無論、
法令や慣例など客観的なルールに基づくものではなかった。

もっぱら政権の「恣意」による。

つまり今回の要請は、安倍政権という「特定の政治主体」が、
同政権の経済政策の「第4の矢」として、
五輪の東京招致を成功させたいという
「自らの政治目的を達する為に」、「皇室の存在を」まさに
「恣意的に手段とする行為」だった、と断ずる他ない。

どこから見ても百パーセント「皇室の政治利用」そのもの。

少なくとも私の定義による限り、そう結論するしかない。

もし政府が「皇室に敬意を持ち、品位を汚さないよう配慮し」
たのであれば、この度のような要請は、厳に慎んだはずだ。

高円宮妃殿下が「皇族の節度を守られた」のは勿論だ。

しかしそれによって、安倍政権による公然たる
「皇室の政治利用」が免罪される訳では、決してない。

八木氏は、天皇陛下が東京都の猪瀬直樹知事に
祝意を表された事実をもって、
「風岡(宮内庁)長官が述べた『両陛下もご案じではないか』
とは何のことだったのか」と不審がっている。

氏は、陛下が「皇室の政治利用」を深く憂慮されていたら、
猪瀬知事に八つ当たりでもなさると想像していたのか。

また彼は、陛下が昭和の東京五輪後の、
第2回パラリンピック開催に尽力されたとして、
今回の件を何とか弁護しようとしている。

だが、はっきり経済政策の一環に位置付けられた今回のケースと、
障害者への国民的関心の喚起に御心を砕かれたことの、
どこが共通しているのか。

詭弁を通り越して、陛下に対してこの上ない非礼だ。

この度、宮内庁が強く難色を示す中、
敢えて強行したこれほど明白な「政治利用」を、
「ぎりぎりのケースの前例」などと見なすことは到底、許されない。

これを「前例」などにしたら、「なし崩し」どころか、
歯止めなき「政治利用」にお墨付きを与える結果を招くのは、
火を見るより明らかだ。

今回のことを「政治利用」ではないと言い張ろうとする者たちは、
皇室の尊厳と安倍政権の評判の、一体どちらが大切なのか。

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テーマ「政治権力と天皇」



平成25年12月1日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。




「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。


毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 
“ こちら ” でどうぞ。




次回の12月1日(日)開催の「ゴー宣道場」のテーマは

『政治権力と天皇』


民主党政権は「1ヶ月ルール」を破ってまでも、
中国の習近平と天皇陛下を無理やり会見させた。


自民党政権はオリンピック招致という「経済政策・アベノミクス第4の矢」のために、
海外の候補地と激しく争う場に、皇族の威光を利用しようと
高円宮妃久子さまを引っ張り出した。


どちらも宮内庁長官は抵抗したが、政治権力に押し切られてしまった。

 

高円宮妃久子さまはIOC総会で圧倒的な存在感を示され、招致成功に繋がったが、
もし失敗していたら、皇室の権威が損なわれる危険もあった。



天皇陛下がこれを危うい「皇室の政治利用」と憂慮されるのは
当然のことだ。

 

風岡宮内庁長官は「苦汁の決断をした。天皇、皇后両陛下もご案じに
なっていらっしゃるのではないか
」と異例の言及をしている。


同時に「内閣の一員としてぎりぎりの判断をした」と説明している。

 

これに菅官房長官が「違和感」を表明。


なんと安倍晋三側近は、天皇のご意向を受けた風岡長官の発言に怒り狂い、
宮内庁をぶっ壊さないとな」「宮内庁は内閣の一部だ
宮内庁長官に任期や定年がないのはおかしい
などと言っている。


政治家どもは、一体、
自分を何様だと思っているのか!?


政治権力と天皇」の関係性を、この際、徹底的に問わねばならない。

 


次回で定期的に開催する「ゴー宣道場」は終わりだ。

来年からは不定期開催になる。


12
1日は堀辺正史師範も参加される。


熱く、深く、日本の根本問題を語ろう!


この恐ろしく深い問題を、どう笑いを交えながら議論できるかが課題だ。


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高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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