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高森明勅
2013.11.23 01:21

私邸に住み続ける首相の「公」度

国民の中で最も公的な人物は誰か。

恐らく内閣総理大臣だろう。

憲法上「国権の最高機関」
とされる国会の衆参両院の議長と比べても、
やはり国政の最高責任者たる内閣総理大臣の方が、
より上回っていよう。

だがそんな総理大臣でも、
公邸に移らないで私邸に住み続ける自由は、許されているようだ。

危機管理を声高に唱える安倍首相は、政権発足から1年近く経つ。

しかし、いまだに私邸から官邸に「通勤」している状態。

それで非常時の危機対応は万全なのか。

さすがに、国会でも議論になっている。

政府サイドは、災害時に交通渋滞が起こっても
オートバイで15分以内で官邸に着ける」と説明している。

途中、道路そのものが遮断されるような場合のことは、
考えていないようだ。

オートバイでテロなどの危険はないのかも、考慮外。

そんなリスクに目を瞑って、私邸に住み続ける理由は何か。

「過ごしやすい」からとか、
昭恵夫人が「自由な生活が束縛される」のを嫌がっている為とも、
言われる。

まさか、公邸に出ると噂されている幽霊が怖いからではなかろう。

いずれにしても呑気な話だ。

「戦後レジーム」的気楽さと言うべきか。

比較するのも非礼ながら、天皇陛下が上記のような理由で、
皇居の外に住み続けるなんて事態は、
爪の先ほども想像出来ない。

わが国における究極の「公(おおやけ)」の
体現者たる天皇陛下と内閣総理大臣とでは、
公共性の程度において、天地雲泥の隔たりがあるということだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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