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小林よしのり
2014.2.27 13:36

村山談話・河野談話に未来はあるか?第17回


村山談話・河野談話に未来はあるか?

17回 歴史を変えた朝日新聞の陰謀記事

 

1991年(平成3126日、慰安婦訴訟が提訴された日の
記者会見で、加藤紘一官房長官(当時)はこんな発言をした。

政府関係機関が関与したという資料はなかなか
見つかっておらず、今のところ政府としてこの問題に
対処することは非常に困難

「政府関係機関」というのは「軍」も含む。

軍が関与した資料は見つからないと言っているのだ。

 

それから約1ヶ月後の1992年(平成4111日、朝日新聞は
1面トップで大々的に、こんなスクープ記事を載せた。

慰安所 軍関与示す資料 政府見解揺らぐ

 

これを見れば、政府がないと言い張ってきた資料が発見され、
軍による強制連行が証明されて、政府見解がひっくり返った
と誰もが思っただろう。

ところが、事実は全然違ったのである。

加藤長官の発言は従来の官僚答弁の繰り返しだが、
これには2つの重大なエラーがあった。

 1点は前回も書いたように、「強制連行」の事実自体を
否定していない
こと。

 2点目は、「政府は関与していない」という答弁は「強制連行」
のみならず、「慰安婦」や「慰安所」の存在そのものに関して、
政府はいかなる関与も一切していないという意味にも
解釈できる
ということだった。

 

朝日新聞の1面スクープ記事で「発見」されたとしている資料は
1938年(昭和13)年に陸軍省が出した
軍慰安所従業婦等募集に関する件」と題する通達である。

だがここに書かれていることは、慰安婦募集に当たって、
不適切な業者が勝手に「軍の諒解」などの名義を利用して
軍の威信を傷つけたり、中には誘拐まがいの方法を使って
警察に検挙されたりする者までいるから、
今後は軍において適切な業者を選定し、社会問題を
起こさないようにせよ
という内容だった。

 

つまりこれは、「強制連行」のようなことが起こらないように
軍が「関与」せよという通達であり、軍はいわば
善意の関与」をしていたという証拠
だったのである。

 

朝日新聞は、「強制連行を防止するための軍の関与」を、
「強制連行への軍の関与」であるかのように
180度ひっくり返して見せるという、
空前のトリックを用いたのだった!

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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