ゴー宣ネット道場

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小林よしのり
2014.4.1 11:09日々の出来事

本屋が本に落書きして売っているようなもの


「ゴー宣道場」の門弟からこういう投稿があった。

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昼にスマホで見てびっくりしました。

クラッキングでも受けたのか!と。

運営会社の悪ふざけと知って一安心ですが、

後味は最悪です。

脱脂粉乳をむりやり飲まされたような気分です。

面白くもなんともないし、何より作家と作品に対する

敬意が感じられない。

場所を提供しているから好きに使っていいとでも

思っているんでしょうか。

本屋が本に落書きして売ってるようなものでは

ないですか。

そんな本を掴まされたら即座に交換させるし、

作家には訴える権利さえあるんではないでしょうか。    

M氏より)

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今回のドワンゴの悪ふざけには、ネット住人の

根本的な姿勢が表れています。

それは一種の価値相対主義です。

価値紊乱主義と言っても良いでしょう。

ネット上の主張なら、どんな内容だろうと、

発言すること自体は止めない。

主張の内容に優劣をつけない。

『小林よしのりライジング』で書かれていることも

「2チャンネル」で書かれていることも、

同レベルで扱う。

その結果、文章に込めた真剣さに無頓着で、

軽い文章が流通する場所のノリを持ち込む。

ネットが日常生活の一部になっている現在、

多くの人が主張や表現を発信するようになりました。

それにより、質の悪い表現が存在を許されています。

「主張は個人の自由だから」

「ネットとはそういうものだから」という

呑気な言説は、とうの昔に通じなくなっています。  

T氏より)

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君たちは鋭い!ちゃんと分析している。

わしも何者かから攻撃を受けたのかと思った。

これで仰天しない方がおかしい。

怒らない方がおかしい。

 

ブロマガと言えども、真剣に作っている「作品」

であり、客に購入してもらっている「商品」なのだ。

落書きされた「商品」なんか売っていいはずがない。

 

あちこちから「夜露死苦」で荒らされてると報告が

あるので、岸端に言っても、時浦に言っても、

「エイプリルフールだからドワンゴの悪ふざけじゃ

ないですか?」と言って、本気で怒らないのだ。

「ネットはいいかげんなものだ」という諦観を持って

いるらしい。

わしは二人とも叱ってやった。

 

わしは紙媒体だろうが、ネットだろうが、真剣に

書いている。

いつかネットの世界でも、価値の優劣がつけられる

だろうと期待してたのだ。

だが、ダメだな。

むしろ悪貨が良貨を駆逐するのがネットの世界だ。

こんな無茶苦茶なことをされるのなら、

絶対にネットで漫画なんか描けない!

やはり紙媒体の表現に力を入れるべきだとつくづく

思った。

 

しかし、「本屋が本に落書きして売ってるようなもの」

という例えと、「ネットの世界は価値紊乱主義」という

分析は、まったくその通りだ。

門弟がこれを言ってくれて、少し気が晴れた。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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テーマ: 「愛子皇太子の可能性」

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