ゴー宣ネット道場

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小林よしのり
2014.8.20 03:38

ゴジラは、イデオロギーよりも絵心だ


ライジングで「ゴジラ」について書いたのは、右にも左にも、

「原発擁護」や「反戦・反核」というイデオロギーだけで

批判する者がいるからだ。

そんなことより「自然そのものへの畏怖」という日本的価値を

アメリカ人がわかってくれたことの方が喜ばしいではないかと、

わしは思っている。

「ゴジラ」の持つ「自然そのものへの畏怖」という日本人の

感性を全然わからないのが、むしろ日本人の原発擁護派である。

彼らはアメリカ人のように、文明が自然をコントロールできる

と思っている。

 

ただ単に、自国の「ゴジラ」の方が凄いという、矮小な

国粋主義で批評するなら、日本版のぬいぐるみのゴジラで満足

していればいい。

ぬいぐるみでも、まだ日本版「ゴジラ」を作る余地はあると、

わしは思っているが、当面ハリウッド版のCGで作る「ゴジラ」

を、わしはもっと見たい。

 

わしがハリウッド版「ゴジラ」の宣伝なんかしてやる義理は

ないのだが、どうしても第二弾が楽しみになる。

日本版ゴジラでは、ぬいぐるみだから顔の筋肉が動かない。

ハリウッド版は顔の筋肉が動くし、咆哮したあとに鼻の穴が

膨らんで閉じる。

二度目の大咆哮の長さもしびれた。

音響が伝わって振動する座席で見たかったが、予約では取れ

なかったのが悔しい。

 

ムートーの真下に潜り込んで見る感覚も凄かったし、ゴジラの

背びれが船の真下を潜り抜けたり、鉄橋を破壊しながら暴れ

たりする臨場感も良かった。

 

最も凄かったのはパラシュートで降下する兵士が、厚い雲や

粉じんを潜り抜けたときに、突如視界に入るのが、格闘する

真っ最中のゴジラとムートーで、兵士がその真横をすり抜けて

降下するシーンだ。

ああいうシーンは日本版では一回も見たことがない。

怪獣が本当にいたらという臨場感を、徹底的に追求した

イメージの数々が、日本版をはるかに凌駕している。

 

あのリアリティーで、モスラはどう見せるのか?

キングギドラはどう見せるのか?

それが楽しみになるのは、やはり「絵心」の問題だろう。

わしは漫画家だから、ゴジラの見せ方の上手さで、
ハリウッド版
「ゴジラ」を大いに評価する。

第二弾を早く見たい。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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