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高森明勅
2014.8.23 06:40

男系「新宮家」創設案の問題点(上)

百地章氏の「男系子孫による新宮家創設を」との提案が産経新聞
8月23日付)に掲載されている。

真剣なご提案であろうから、
これについても、私なりの感想を述べておきたい。

申し上げるべきことは3点。

以下、順次述べて行く。

(1)この提案が、仮にそのまま100%実現しても、
残念ながら皇統の危機を打開する解決策にはならない。
ただ、
問題を先送りするに過ぎない。

何故なら、側室不在という構造的要因が存在する以上、
「新宮家」
も男系に限定していては、
いずれ継嗣を確保出来なくなって、
行き詰まるのは避けられない
からだ。

このことについては、竹田恒泰氏が過去の実例に照らして、
以下のように発言している。

「4乃至(ないし)5の宮家を常に確保し続けることによって、
側室なくとも男系継承は確率論的に可能である」と。

だが側室不在では、前提となる
4乃至5の宮家を常に確保し続けること」自体、不可能。

それは皇室の現状を見ても明らか。

よって、竹田氏の指摘は事実上、側室なくして男系継承は
不可能であることを主張したに等しい。

百地氏は旧宮家系国民男子の4人の候補を挙げて、
例えばこのような人々の中から…」と述べておられる。

しかし、スタートの時点で新宮家が4以下なら、
男系継承は「確率論的に」
ますます至難。

百地氏は同提案によって、
皇室の将来は盤石となり明るい展望が開ける」と、
バラ色の未来図を描かれた。

しかし遺憾ながら、そうした楽観は許されないと考えるべきだ。 
 (つづく)

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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