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高森明勅
2014.11.21 07:29

「詔書」を知らない政治家ども

先に念のため、衆議院の解散は「天皇の国事行為」
あることを指摘した。

こんなの憲法学以前の、社会常識の基礎の基礎。

と思っていたが、
今日、信じがたい非礼かつ不敬なハプニングがあった。

国会で伊吹衆議院議長が「解散の詔書」を読み上げている途中で、
議員達が恒例の万歳三唱を始めてしまったのだ。

詔書の文面は以下の通り。

「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する。
 御名(ぎょめい)御璽(ぎょじ)
 
平成26年11月21日 内閣総理大臣 安倍晋三」 ところが、

「御名…」と読みかけたところで、早々と万歳を始めた。

伊吹氏はむっとした表情を見せ、全文読み終えた後、
万歳をやり直させたらしい。

当然だ。

詔書は
「御名(天皇陛下のご署名)」と「御璽(天皇陛下のご印章)」
が揃って、
はじめて詔書たり得る。

今時の政治家は、そんなことも知らないのか。

それとも、伊吹氏が読み上げているのが「詔書」であることすら、
知らないのか。

うっかりミスで済む失態ではない。

衆議院の解散が「天皇の国事行為」であることを、
頭から無視した振る舞いで、
日本という国の根本的な仕組みが分かっていない証拠だ。

これで国権の最高機関たる国会の議員だから呆れる。

今回の解散の性格を図らずも露呈してしまったと言うべきか。

解散のプロセスは概略、次の通り。

閣議決定→天皇陛下のご決裁。

解散詔書に「明仁」とご署名。

陛下のご意思をうけて侍従が詔書に御璽を捺す。

御璽には「天皇御璽」の4文字が彫られている。

教育勅語や終戦の詔書に捺されたものが今もそのまま使われている

→詔書が内閣に届く。
→詔書が衆議院議長に渡され、
議長がこれを読み上げる。

ー念のため。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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