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2013/03/11

食料は国際分業してはダメ

Tweet ThisSend to Facebook | by 五反分
TPPにおける農業問題を考えるとき、押さえておかなければならないポイントを
挙げておきたいと思います。

1.土地利用型作物と、それ以外の作物を一緒に考えてはならない。
土地利用型作物とは、簡単に言うと「コメ、大豆、小麦」です。
(コメを米と表記すると、米国と紛らわしいのでカタカナにします)


これらの作物は、文字通り土地が広ければ広いほど生産効率が上がるので、
耕地面積が狭い日本は、外国に比べて圧倒的に不利です。
現に、大豆は自給率6%。94%が外国依存で、そのうちの7割をアメリカに
頼っています。味噌、しょうゆ、豆腐の原材料ほほとんどが外国頼み。
小麦の自給率は14%。しかも日本で採れる小麦はパンには適さないので、
ほぼ全て麺用です。
TPP論議の中で、「農業の生産性を上げる」というのがありますが、
土地利用型作物については、生産性を上げることで諸外国に太刀打ちする
ことは不可能です。
ざっくり言うと、1農家あたりの耕地面積は
日本1に対して、アメリカ100、オーストラリア2000だからです。
「日本も農地の集約を進める」ということを行っていますが、一つの
耕地としてまとめることが難しいのです。
こっちの田んぼ、100メートル離れたところの田んぼ、そのまた50メートル
離れたところの田んぼ、と合算して「大規模化を図る」ことが多いのです。
身もふたもない言い方をすると、日本の国土の農地は狭いということです。
何しろ山林が国土の70%ですから。
残り30%の国土に、国民が住み、工場を建て、ビルを建て、農地を耕して
いるのです。
そんな中においても、コメの生産性はもはや世界最高レベルでしょう。
よくコメ農家の高齢化が言われますが、70才過ぎでもできるほど、機械化が
進み生産性が上がっているということの裏返しでもあります。




2.「買い負け」ということを考慮せよ
「工業製品を輸出し、稼いだお金で食料を輸入する」という国際分業モデルは、
いつの話でしょう。
もはやこんな牧歌的なことを言っていられる世界ではありません。
大豆、小麦等日本の食卓に欠かせない食料ですが、新興国の需要も旺盛で、
日本の商社が買えない「買い負け」という事態が多発しています。


また、1979年から21年かけて日本のODAで日本向けの大豆を生産するためブラジルに
作った開拓地(セラード)は、いま、中国向けの大豆の生産で大盛況です。
もちろん、日本の商社もその地の大豆を買い付けていますが、主に仕向け地は
中国です。
担当者の話では、「日本人は品質にうるさくて安く買おうとする。
中国人は品質にこだわらなくてそれなりの値段で買ってくれる。
日本の商社として日本人のための食料調達したい気持ちもあるが、
企業の損得で言ったら、買い付けた大豆を中国に持っていった方が儲かる」
とのこと。
これは買い負けとは違いますが、「食料は輸入すればよい」ということが
時代遅れであることの証左です。


とにかく、言いたいことは、
「国民の食料だけは、国際分業に任せてはならない」
ということです。


01:20 | 政策