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2018/02/13

産経抄、西部邁氏利用して放射線被曝安全デマ

Tweet ThisSend to Facebook | by トッキー
今日(2月13日)の産経新聞・産経抄は、
亡くなった西部邁氏の6年前の文章を
引っ張り出してきて、
「福島第1原発事故の放射能はもう安全」
と印象付けるのに利用しています。

その西部氏の文章は
2012年5月23日の毎日新聞に掲載された
【異論反論】異説に耳をふさぐな
 /報道されない「福島に健康被害なし」
と題するもので、この年1月、
国連原子放射線影響科学委員会
(UNSCEAR)の委員長が行った
発表について、西部氏は
こう書いていました。

〈この発表によれば、「福島」において
現在も今後も、健康被害が出るとは
考えがたいという。
私も素人判断でそう考えていたので、
この発表に驚きはない。〉

UNSCEARというのは国連のお抱え機関で、
チェルノブイリ原発事故の健康被害さえ
甲状腺がん以外認めなかったという
原発ムラの組織であり、
ベラルーシは抗議を込めた
報告書を出しています。

そんな機関の委員長が、
事故から1年も経たない時点で発表した
「現在も今後も健康被害は出ない」
などという発言を鵜呑みにして
「私も素人判断でそう考えていた」
と西部氏が言っていたとは杜撰すぎるし、
被災者の心情に対しても
あまりにも無神経です。

西部氏は、この
UNSCEARの発表を
マスコミが報じていないことを
非難していたのですが、そりゃ、どこも
信頼性を認めなかっただけのことでしょう。

今さら、こんな西部氏の文章、
読みたくなかったなあ。

こういうのは、
故人の名誉を慮って、
普通は言及しない
ものでしょうよ。

産経抄はさらに、
昨年9月に日本学術会議が出した
「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」
という報告書について触れ、
「福島第1原発事故による胎児への
影響を否定していた」
「『科学的には決着がついたと認識されて
いる』とまで踏み込んでいる」
と書き、それがほとんど報道されていない
ことを批判しています。

それに続けて産経抄は、
国の放射線基準が「厳しすぎる」として
見直すべきとの意見があることなどに
触れているので、全体的に見れば、
日本学術会議があたかも
福島第一原発事故の放射線被曝について
安全宣言の報告書を出したかのような
印象を持ってしまう書き方になっています。

ところが実際に報告書を読んでみると、
「胎児影響は、福島原発事故による
健康影響の有無がデータにより
実証されている唯一の例である」
『胎児影響』に関しては
上記のような
実証的結果を得て、
科学的には
決着がついたと
認識されている」
と書いてあります。

つまり、科学的に否定されたのは
「胎児への影響」だけで、
その他の子供への影響については、
まだわからないことが多く、
データの分析にも異論が出ている
というのが現状であり、
実際、報告書にはそのように
書いてあるのです。

産経抄は報告書を見ていないのか、
それとも見た上で印象操作
しようとしたんでしょうか?

産経抄は西部氏の言葉を引用し、
「異説に耳をふさぐな」
「『見ざる言わざる聞かざる』の
三猿はやめよう」
と言っていますが、
まずは、自分がそうなさっては
いかがでしょうか?


15:40 | 震災・原発問題