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高森明勅
2020.7.19 06:00日々の出来事

話術

私の喋り方は一応、人並みの水準に達しているだろうか。もしそうだと仮定するなら、それは何故可能になったか? 
少なくとも2つの理由が頭に浮かぶ。

1つは、小学生の高学年になるまで、極端な引っ込み思案だったこと。
いつもクラスの隅っこで、同級生達が楽しげに会話に花を咲かせているのを、羨ましく眺めていた。
その間、幼いなりに孤独な思考に沈潜する一方、「人と喋りたい」という気持ちが、どんどん内面に蓄積していた。

もう1つは、私の興味・関心の在り方が、比較的早くから、周囲の仲間達と余りにもかけ離れていたこと。例えば、中学2年生の時(昭和45年=西暦1970年)、リアルタイムで起こった三島由紀夫の事件を全校生徒(だけでなく恐らく教師も含めて)の中で、たった1人だけ肯定(!)した。
興味の対象も、知識の身に付け方も、考える方向性も、殆ど孤立していた。なのに、孤独を嫌って、少しでも共感を求めた。その為、自ずと自分の喋り方に僅かでも気を配るようになった。…という事情がある。
その後、歳月を経て、喋り方が救いようもないほど下手くそというレベルよりは、もう少しだけはまともになっているのではあるまいか。勝手な思い込みかも知れないが。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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