安倍政権の最大のセールスポイントは、
その経済政策だったはずだ。
いわゆるアベノミクス。
これは成功したのか、どうか。
理論経済学(マクロ経済学、金融政策)が専門の
服部茂幸氏の評価は、こうだ。
「アベノミクスの真実は単純である。
日銀の異次元緩和はデフレ脱却にも、実体経済の回復にも失敗した。
延べ就業時間は微減か、横ばいである。
就業者の増加は、短時間労働者が増加したことと、
労働生産性上昇率がほぼゼロになった結果である」
「輸出拡大なき円安は、円安インフレによって、
実質賃金と家計の実質所得を削減した。
それによって、消費が停滞する。
こうして円安による経済回復のルートは途絶えた」
「円安は企業特に輸出企業の利益を急増させた。
しかし、企業、特に巨大企業は、巨額の利益を設備投資や賃上げに
回さず、内部留保に回している」
「ローズベルト大統領は、ニューディールの評価はスーパーリッチを
よりスーパーリッチにすることではなく、貧困層の所得を改善するか
どうかにあると述べていた。
筆者はこのローズベルトの基準をアベノミクスの評価に使いたいと
思う。
そして、ローズベルトの基準にしたがう限り、
アベノミクスは失敗である」
(『偽りの経済政策―格差と停滞のアベノミクス』)
安倍政権の殆ど唯一の看板政策がこの結果。
それでも、まだ安倍首相に期待するのだろうか。